感染症

アビガンが新型コロナに効果あり?治験が始まるというけれど

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新型コロナウィルスに効く薬を探して

2020年3月30日に、富士フィルムホールディングスが、新型コロナウィルスの治療のために「アビガン」の治験を開始するとのニュースがありました。

アビガンとは?

アビガンとは、抗インフルエンザ薬の名前です。
しかし、一般的に流行するインフルエンザの治療には使われません。

なぜなら、アビガンは新型インフルエンザが流行し、現在抗インフルエンザ薬として販売されている薬が効かない場合にのみ、日本政府が製造販売を許可する特殊な立ち位置の薬だからです。

本来なら、タミフルやゾフルーザなどの抗インフルエンザ薬と同じように一般流通されることを期待して開発されたのですが、胎児に奇形が生まれてしまう危険性が高いため、日本では緊急事態にのみ製造販売されることになったのです。

治験とは?

さて、「治験を開始」とのことですが、そもそも治験とは何なのでしょうか?

当たり前ですが、薬は勝手にできるわけではありません。
何人もの研究家が日々実験を繰り返したり、薬に使えそうな新しい物質を探し、その中で”病気に効果があり”、”人に使用しても安全”なものがまずは「薬の候補」として選ばれます。


「薬の候補」から、正式な薬になるには、健康な人や実際に何か病を患っている人に対して「薬の候補」を使い、効果と安全性を証明しなければいません。

この、「薬の候補」の成績を集める臨床実験の事を、「治験」と呼んでいるのです。

治験が行われる場所

もちろん、「治験」はどこでも行われるわけではなく、「医療設備が十分に整って」いて、「緊急の場合はすぐに必要な治療や処置が行え」て、「治験を実施する医師・看護師・薬剤師等が揃って」いて、「治験の内容を審査する委員会が利用できる」病院でないと行ってはいけないという規則があります。

ですので、普通は大学病院や大きな総合病院で行われることになります。

治験を受ける人も、全く健康な人から、特定の疾患がある人と、色々です。
医師から「治験をしてみませんか」と声を掛けられることもあれば、ネットで治験ボランティアとして登録し、自ら治験を受けることに立候補することもできます。

今回、この新型コロナウィルスに対するアビガンの治験は、富士フィルム富山化学が病院と提携して行うそうです。

あれ?薬がもうあるのに治験?

必ずしも「治験=新しい薬のための臨床実験」ではない

ここで、「あれ?アビガンはもう薬として製造許可が下りているのに治験?」と思われた方もいらっしゃるでしょう。

「治験=新しい薬のための臨床実験」と、思いがちですが、必ずしも新しい薬にだけ行われるわけではないのです。
治験は、すでにある薬を新しい目的で使う時にも行われるのです。

先にも書きましたが、アビガンは本来新型インフルエンザに対して作られた薬なのです。
実際に、アビガンの効能効果に関する使用上の注意には

本剤は、他の抗インフルエンザウイルス薬が無効又は効果不十分な新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症が発生し、本剤を当該インフルエンザウイルスへの対策に使用すると国が判断した場合にのみ、患者への投与が検討される医薬品である。本剤の使用に際しては、国が示す当該インフルエンザウイルスへの対策の情報を含め、最新の情報を随時参照し、適切な患者に対して使用すること。

と書かれています。

ですので、「アビガンが新型コロナウィルスに効果があるかも!」という情報だけで、医師が勝手にアビガンを新型コロナウィルスの患者に投与することはできないのです。

先に新型コロナウィルスの感染が拡大した中国では、中国の医療機関が新型コロナウィルスに感染した患者に、アビガンを投与したところ治療効果があったと臨床実験の結果を発表しました。

その結果を踏まえてか、2020年3月28日に安倍首相は、アビガンを新型コロナウィルスの治療薬として、承認するにあたって必要な治験プロセスを開始すると発言しました。

なので、今回のアビガンの治験は、新型コロナウィルスの治療薬としての治験だということなのです。

始まるもう一つの治験

2020年3月30日には、アビガンの治験と別はに、もう一つ治験が行われることが発表されました。

アメリカのジョンソン&ジョンソンが行うと発表した治験は、新型コロナウィルスのワクチンです。

ワクチンとは?

ワクチンとは、あらかじめウィルスや細菌を体の中に注射などで入れ、そのウィルスや細菌に対する免疫を作り、病気になりにくくしたり、病気になったとしても重症化を防ぐための物です。

なので、新型コロナウィルスのワクチンが開発されると、今冬に受けているインフルエンザの予防接種のように、新型コロナウィルスに罹る前にワクチンを接種することになります。

アビガンは、すでに新型コロナウィルスに罹ってしまった人に摂取してもらう薬剤なので、ワクチンとは少し用途が違いますね。

ジョンソン&ジョンソンは、まだ新型コロナウィルスに確実に効果があるワクチンを見つけたわけではありませんが、5~6株のワクチン候補から2~3株の有用性が確認出来たらいいのではないかと言っているそうです。

まぁ、早々に見つけられたら苦労は要りませんもんね。

このワクチンの治験は、2020年9月から始められ、安全で有効なワクチンであると認定されるには最低でも1年はかかるとのこと。
それでも、かなり早い方なんだそうです。
確かに、ワクチンを打ったおかげで酷い副作用が出てしまっては困りますからね。

ウィルスや細菌との戦いはエンドレス

人間が、ウィルスや細菌に効くワクチンや薬を開発しても、なぜか新種のウィルスや細菌が新しい病気を引き起こしてきます。

ペストに天然痘、結核にインフルエンザ、命を脅かすウィルスや細菌に、人間はワクチンや薬で対抗してきました。

きっと、今回の新型コロナウィルスに対するワクチンや薬ができると信じて、この難局を乗りれると祈りましょう!

   
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