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豊田正義の北九州・連続監禁殺人事件~消された一家を読んだ

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北九州・連続監禁殺人事件
       

この本をどうして読もうと思ったのかは覚えてない。
何故なら、図書館のに予約したのは昨年の9月だった。
冊数が少ないのか、人気なのか、今年になって、ようやく順番がまわってきた。

この本は、平成14年に発覚した北九州・連続監禁殺人事件のノンフィクションである。
読んでいて非常に気分が悪く、一気に読むことはできなかった。
何回かに分けて読んだが、とっても疲れた。
衝撃的であった。

北九州・連続監禁殺人事件

7人もの人間が殺された事件である。
被害者の中には、5歳と10歳の子供も含まれている。

17歳の少女が、犯人である松永の元から逃れ、警察に保護されるまで、その事件が世間に明らかになることはなかった。
完全犯罪目前だったのだ。

松永は、巧みな弁舌で緒方家に入り込む。
監禁し、電気ショック、食事制限など、書くのもおぞましい虐待を行い、一家を支配していった。
松永は、家族をランキング化し、その最下位の人間に電気ショックを加えるなどしたため、一家の中に疑心暗鬼が生まれ、恐怖心から家族同士が殺しあうことになった。

どうしてにげられなかったのか?被害者の行動心理

他者から見ると、「どうして逃げなかったか?」「どうしていいなりになったのか?」といった疑問がでてくる。

実は、この事件だけでない。
監禁事件の多くは、逃げるチャンスがあっても逃げられていない。
一見、被害者の不思議な行動であるが、心理学者や精神科医がいろいろと分析している。



どうして人間は、非人道的なことができてしまうのか?

解説では、犯人は、サイコパスで人の痛みを感じない人間ということになっている。
そう思いたいものである。
しかし、人を人と思わない事件は何度も起こっているのだ。
戦争犯罪では同様のことが何度も起こっているし、現代においても、世界各地で少数民族虐殺がおこなわれているのである。
女子高校生コンクリート殺人事件など、通常の神経では考えられないことも起こっている。
いじめの事件でも、虫を食べさせ、刃物で刺し殺すなど、常軌を逸していた。
殺人までしなくても、東京大学生だった松見謙佑らは、女子大生にカップラーメンをかけるなどの行為を平気でしている。
そういう犯罪者のすべてが、本当にサイコパスなのだろうかとも思う。
人間の多くが持つ暴力的な側面なような気もする。

北九州・連続監禁殺人事件の共犯者は死刑か?無期懲役か?

北九州・連続監禁殺人事件の共犯は、女性である。
犯人の松永から虐待を受け、マインドコントロールされていた。
たとえ、マインドコントロールされていたといっても、被害者からすると犯人なのである。
詐欺も虐待も殺人も行っているのである。

彼女が死刑なのか?無期懲役なのか?ネットをはじめとして議論されてきた。
一審では死刑となっているが、作者のあとがきでは、死刑に違和感を訴えている。
難しい問題である。

考えさせられる一冊

楽しい一冊ではない。
小説とは違い、現実におこったノンフィクションなので、空気は重たいのだ。

何故、逃げなかったか?
何故、暴力的なことができてしまうのか?
マインドコントロールされている場合は、死刑か?無期懲役か?
「生きるとは何か?」「何のために生きているのだ」など哲学的なこと。
いろんなことを自然に考えてしまう一冊であった。

消された一家 北九州・連続監禁殺人事件 (新潮文庫) [ 豊田正義 ]

   
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