目次
インフレになると、お札にどんどん0が付いていく
日本円の通貨の最高額は10,000円
現在の日本円の通貨での最高額は10,000円ですよね。福沢諭吉さんが描かれているあのお札です。
この「一番高額な日本円紙幣=10,000円」は、私が生きてきた間変わっていません。そう、40年近く10,000円札は最高額紙幣に地位を維持しているのです。
もちろん、日本円通貨にもいろいろ変遷はありました。
昭和57年に500円玉ができたり、平成12年に2,000円札ができたり。
500円玉ができる前は、500円札だったんですよねぇ。青っぽい色で、岩倉具視が描かれていて・・・。
2,000円札は、九州・沖縄サミット開催を記念してできたんですよ。当時人気絶頂だった安室奈美恵さんが、小室哲哉さん作詞作曲で「Never End」って曲を出したりして。お札には首里城が描かれて、めっちゃ沖縄推しのお札だなと思ったものです。
あぁ、なつかしいなぁ。って、まだ2000円札は現役ですが。(ちなみに500円札も使えるそうです。)
すっかり巷では見なくなった2,000円札ですが、空港の両替所で日本円に両替した時によく渡されるそうです。
なので、2,000円札保有率は、日本人より外国人観光客の方が高いのかもしれません(笑)。
さて、話を戻して。そんなこんなで安定している日本の通貨ですが、もし、最高額通貨不動の地位の10,000円札がピンチに陥るとしたらどういう時があると考えますか?
10,000円札が最高額紙幣としての地位を脅かされるとしたら、それはずばりハイパーインフレになった時でしょう。
インフレとは?
まずは、インフレの説明からしましょう。
インフレとは、インフレーションの略で、物価が上がる状態のことを意味しています。
物価が上がる=お金の価値が下がる、とも言えます。
例えば、缶ジュース1本を買うことを考えてみましょう。今までは缶コーヒー1本は100円だったとしましょう。でも、インフレになると缶コーヒー1本が100円以上になってしまうのです。
一本が200円になったとしましょう。缶コーヒー自体は質や量に何の変りもないのに、今までの2倍のお金を払わなければ買えないことになります。それは、お金の価値が半分になってしまったということですよね。
多少のインフレなら、輸出産業が恩恵を被ったり、外国からの観光客が増えたりとメリットもあります。実際に政府は、物価上昇率を2%程度にしたいようです。
しかし、どんどん物価が上がり続け、ハイパーインフレになった場合は大変なことになります。
ハイパーインフレとは
ハイパーインフレとは、インフレに”ハイパー”なんてとんでもない接頭語が付いていることからもわかる通り、インフレが続きすぎて物価が物凄く上がる状態のことを意味しています。
国際会計基準という、世界の会計士団体が主となる国際会計基準委員会が定めた国際的な会計の基準によると、”3年間で累積100%以上の物価上昇”だと、ハイパーインフレの状態なんだそうです。
簡単に言うと、3年で物価が2倍以上になるとハイパーインフレだということですね。
先ほど説明した缶コーヒーの値段が、3年以内に100円から200円になったらハイパーインフレということになります。
ハイパーインフレになったことのある国は?
ハイパーインフレに陥った国は
- アルゼンチン
- ジンバブエ
- ドイツ
- ベネズエラ
- ロシア
などがあります。
ドイツなんて、今やEUの優等生的存在ですが、過去にはハイパーインフレを経験してたんですねぇ。
近年ハイパーインフレになった国は、ジンバブエとベネズエラですね。
中米ベネズエラのインフレ率はなんと驚異の268万%!しかもこの値は、2019年1月のものです。ひゃぁ~。
例えるなら、去年は100円で買えていたものが、今年は268万円を出さないと買えなくなったということです。どんだけの値上がり!?
そして、アフリカのジンバブエもハイパーインフレで有名になった国の一つでしょう。
2015年に”ジンバブエは日本円を「法定通貨」に採用”というニュースがあったのを覚えていませんか?
日本円を両替しなくてもそのままジンバブエで使えるということです(笑)。
うーーーん、使えてもなー、行く機会がなさそうかなぁ。
(残念ながら、2019年6月にRTGSドルが唯一の法定通貨となってしまったため、日本円は外貨になってしまってました(笑)。)
ジンバブエのインフレ率は、2018年11月には89.7セクスティリオン%だったそう。
はい、まずセクスティリオンって何?って思いますよね?私も思いました。
セクスティリオンというのは、10の21乗を表す単位なんだそう。もうね、0が何個付くのかすら不明ですよ。天文学的数字なんだそうです。
なので、法定通貨であったジンバブエドルは、どんどん単位が大きくなっていきました。
だって、そうですよね。通貨の最高額が100ジンバブエドルだとしたら、缶ジュース1本買うのに、札束を担いでもっていかないといけないくらいの物価なんですもんね。
ジンバブエの通貨の最高額はいくらになった?
ハイパーインフレに困ったジンバブエ政府は、デノミネーションで通貨の単位を切り捨てる作戦に出ました。
この時は、3桁を切り下げたようです。日本円で例えるなら、1,000円が1円になったということですね。100円だった缶コーヒーが、0.1円になるので、1円を持っていけばおつりが出るっていう感じですね。
でも、結局はそのデノミネーションも効果がなく、日本円を法定通貨にするよって言った2015年のジンバブエドルの為替レートは
1米ドル=3京5千兆ジンバブエドル
だったそうです。 京って単位、使われることがあったんですね(笑)。
その時のジンバブエドルの最高額紙幣は
100兆
でした。
この、世界最高額のジンバブエドルは、アマゾンなどで売りに出されています(笑)。
商売をする人への元担ぎのプレゼントとして喜ばれているようです。
ジンバブエドル 6枚セット (1 / 50万 / 2億 / 50億 / 200億 / 10兆 ジンバブエドル) ハイパーインフレ紙幣 |
自分の周りで最高額の紙幣を探してみよう
発見した最高額紙幣は旧トルコリラ
タンスの中から高額紙幣を発見しました!
2003年に旅行した時に余ったトルコ紙幣です。
そのトルコ紙幣がこちら
100万(旧)トルコリラ札です。
100万、たしかに額面は大きいですね。
では、そこ頃の為替を調べてみましょう。
当時の100万旧トルコリラ、日本円では一体いくら?
トルコに旅行したのが2003年3月か4月。その時の100万(旧)トルコリラは日本円で
2003年3月 平均値:73.63円 最安値:68.41円 最高値:73.28円
2003年4月 平均値:73.63円 最安値:69.65円 最高値:75.98円
でした。
安っっっっ!!!
タクシーに乗った時タクシーメーターの桁数が追い付かなかったらしく、電光掲示板の隣に”0000”と紙に書いて貼ってありました。
紙幣も0が多すぎて、どれが正しい金額の紙幣かわからなくなって、トランプみたいにずらーーーっと広げて、「金額分だけ取って」と頼みました。
まぁ、そうなりますよね。
ちなみに、この100万(旧)トルコリラは2005年1月1日に行われたデノミネーションによって、1(新)トルコリラとなったそうです。
で、ジンバブエのハイパーインフレ時のお札が売れるんだったら、この(旧)トルコリラ札も売れるのでは?なんて邪なことを考えてたのですが、当時の(旧)トルコリラの紙幣の最高額は2000万でした。
100万なんて大したことありませんでした。ちぇっ。
でも、この(旧)トルコリラ紙幣は、旧紙幣で現在では流通していないので、そこらへんで価値が出ないかな~なんてまだ諦めて無かったりもします(笑)。
最高額紙幣が10,000円なのは経済が安定している証
この記事を書くために、色々調べてみて思ったのは、最高額紙幣が10,000円で変わらないのは、日本の経済が安定している証なんだなぁということです。
100兆紙幣も、聞くだけなら「すごい!」「信じられない」で済みますが、実際自国の経済がハイパーインフレになり、その額の紙幣を使わなければいけなくなった時のことを考えると、ただただ恐ろしいだけです。
日本の経済、これからも安定しますように!