台風21号で近大マグロが大打撃
関西地方に甚大な被害をもたらした台風21号。
近大マグロもその被害を受けた一つです。
近大マグロとは
近大マグロとは、近畿大学が研究し、完全養殖に成功したマグロのことです。
世界的に食べられるようになったマグロの個体数減少を防ぐことができると期待されています。
研究は、1970年から開始されました。研究開始当初は人工孵化した稚魚が、水槽の壁に激突したり、共食いしたりして大量死してしまうなどしていましたが、研究を重ね2002年6月に完全養殖に成功しました。
2015年には水槽での完全養殖を開始できるほどになりました。
2020年には完全養殖クロマグロの生産量を240トン(約6000匹)、海外輸出を約2000匹にする目標を掲げています。
近大マグロを食べるには
そんな近大マグロ、実は気軽に食べることができるのです。
百貨店などでも販売されているのですが、それ以外にレストランもあるのです。
2013年、大阪と東京に養殖魚専門店をオープンさせました。大阪駅北側グランフロント大阪北館「ナレッジキャピタル」6階に「近大卒の魚と紀州の恵み 近畿大学水産研究所」と、東京銀座のコリドー街に同二号店があり、近大マグロの他の養殖魚や和歌山の食材を食べることができます。
台風21号がいけすを直撃
しかし、先の台風21号が和歌山県串本町沖に設置した養殖いけすに直撃しました。
串本沖のいけすは計15台ありましたが、そのうちの1台のいけすが、設置場所から約100m沖に流されてしまいました。
いけすの中には体重30kgまで成長したマグロが約600匹回遊していましたが、そのうち約250匹が波にもまれて傷ついたり、呼吸ができなくなったりして死亡し、約350匹が居なくなってしまいました。
その被害総額たるや、なんと1億円に上ると言うことです。
深刻な被害なのですが
この様に深刻な被害が出た近大マグロなのですが、上記の養殖魚専門店の「近大卒の魚」名前に掛けて逃げ出してしまったマグロを「近大中退マグロ」と称する人がネット界に登場しました。
残念ながら逃げてしまったマグロは、大海原では天然マグロなのか近大マグロなのか見分けは付かないのですが、近大卒マグロに対抗して近大中退マグロとして売り出せるのであれば人気がでるかもしれませんね。
幸いなことに、被害に遭ったいけすは1台だけで、和歌山県串本町沖のいけすの他にも鹿児島県にも養殖場があるので、大阪と東京のレストランへの供給には影響はないそうです。
復興のために食べて応援もいいかもしれませんね。