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フランス語辞典に”性差”の無い代名詞が登場!

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外国語における代名詞問題

日本人はあまり気にしない代名詞

代名詞、その漢字が示す通り「固有名詞」に「代わる」もの。
あれ・それ・これ・彼・彼女・彼ら…などが代名詞ですよね。

あれ・それ・これは、日本語の日常会話においてよく使うと思いますが、では、「彼」「彼女」「彼ら」はどうでしょう?

例えば、
「ねぇ、○○さんとランチに行ったんだって?○○さん、元気だった?」
「うん、元気だったよ」
「そうよかった」
「○○さん、またランチしようって言ってたよ」
という風に、日本語だと「○○さん」という固有名詞を会話内で繰り返しても全く違和感を感じませんよね?

逆に
「ねぇ、○○さんとランチに行ったんだって?彼は元気だった?」
「うん、元気だったよ」
「そうよかった」
「彼、またランチしようって言ってたよ」
だと、物凄くよそよそしい感じに聞こえませんか?(個人的感想ですが)

しかし、英語やフランス語などでは、たとえ人の名前であっても固有名詞を繰り返すというのは、物凄く不自然に聞こえるそうなんです。
先ほどの会話だと、最初の1文の「○○さん」はOKですが、次からは○○さんが男性の場合He、女性の場合Sheに変えないと、「どうして何度も○○さんって言うの?」と不思議がられます。日本語とは逆に、何度も名前を連呼するほうがよそよそしく感じるのだそう。

少し話は逸れますが、日本語はたとえ会ったことが無い人でも「~さん」や、「~様」と表現すれば、相手が男性であれ女性であれ大丈夫ですが、英語やフランス語の場合「Mr/ Monsieur 」なのか「Mrs/ Madame・ Mademoiselle 」なのか、どうしたらいいの?!ということも出てきます。プライベートならまだしも、ビジネスの場では大いに困る問題なんだそうです。

フランス語辞典に新しい代名詞が登場

ラテン語系の言語、フランス語もしっかりと代名詞を使う言語です。
なんなら、名詞にも「男性名詞」「女性名詞」があり、それにつく冠詞も名詞の性別によって変わるくらい、対象が男性なのか女性なのかをはっきりさせています。

そんなフランス語ですが、フランス語辞典「 プチ・ロベールPetit Robert(プチ・ロベール) 」が新語を掲載したそうです。

それは、新語は代名詞「iel」

この代名詞は、男性女性どちらにも使える代名詞として登場しました。

「彼は」に当たるフランス語は「il」、「彼女は」に当たるフランス語は「elle」なのですが、その2語を融合させ作られたのが「iel」なんだそうです。

なるほど、じゃあ英語でいうhe/sheの両方にielは対応するんだな、と思って調べてみると

単数形:iel
単数女性形:ielle
複数:iels
複数女性形:ielles

の4パターンがあるそう。

????????????
男性女性どちらにも使える代名詞のielなのに、女性形がある???????
ちょっと、何が何だかわかりませんが、とにかくielは性別に関係なく人を指す代名詞なんだそうです。
フランス語って難しい…。

フランス語の新しい代名詞「iel」 言語の冒涜?時代の流れ?

LGBTQ+と代名詞

最近、日本でもよく取り上げられるようになったLGBTQ+。
いわゆる性的マイノリティーの方々のことを指しています。

LGBTQ+の方の中には、自分の体の性別の代名詞で呼ばれることを心地よく思わない方もいます。
特に、トランスジェンダーの方は、例えば体は男性だけど心は女性の場合、「彼(He)」と呼ばれるのは悲しいと思う方がいらっしゃいます。
また、Qの方は、自分のジェンダーが男性か女性か決めかねているので、「彼」でも「彼女」でもダメという場合もあるんです。

じゃあ、そういう人を表す代名詞は何なのか?というと、英語だと「They」になるようです。
実際、私の海外の友人にも「私の代名詞はTheyを使ってください」と言われたことがあります。(私は友人を名前で呼んでいたので、theyは使ったことはありませんが)
え?一人なのにTheyなの?Theyって「彼ら」とかを表す複数形だよね?と不思議に思い、何故ItではなくTheyなのかを聞いてみると、

Itだと物みたいだから

との答えでした。
そ、そういものなんですかね??

フランス語の新しい代名詞、ielもこのような時代の流れから生まれたというのは、想像に難くありません。

ielはフランスで賛否両論

この代名詞「iel」が辞書に掲載されると、色んな意見が飛び交いました。

反対派の意見は、この代名詞はフランス語に対する侮辱だという人や、性差の無い表現はフランス語に加わることはないという人、また、アメリカの考え方の侵略だという人まで、とにかくこの代名詞は受け入れられない模様です。

対して、若者などは昨今のLGBTQ+に対する考え方などが浸透しており、あまりielに対して抵抗はなさそうとのことです。

「プチ・ロベール」の編さん者によると、特に政治的・社会的な意図はなく、最近「iel」が使われることが多くなったと見受けたので、辞書に掲載したとのこと。
確かに、スマホやらSNSなど私たちが子供の頃には存在しなかった単語も、今や広辞苑にもしっかり載っていることを考えると、ielも「新しい単語」として辞書に掲載するのは普通と言えば普通ですよね。

日本語話者でよかった(笑)

代名詞の性差重要な外国語に比べて、日本語は人称代名詞はあまり使わないし、なんなら省略されることが多い言語です。
この代名詞「ile」の騒動を見るに、自分は日本語話者でよかったな、と思いました。

   
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