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「酒は百薬の長」ではなかった!健康にいいお酒の適量は0

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酒は百薬の長じゃなかった!?

世の中、いろいろ健康について言われていることがありますよね。
その中でも
「酒は百薬の長」
というのはよく聞きませんか?

酒は百薬の長と言われているけれど

酒は百薬の長とは、お酒は程よく飲んでいると、薬よりも健康にいいという意味です。
呑兵衛さんの常套句でもありますよね(笑)。
個人的にはこの言葉を言う呑兵衛さんは、飲みすぎのきらいがあると思っていますが。
しかし、その呑兵衛さんの伝家の宝刀「酒は百薬の長」は、間違っている可能性が示されたのです。

世界中でどのくらいの人がお酒を飲んでいるのか

2018年にUniversity of WashingtonのGriswold氏によって報告された研究によると、世界では総人口の32.5%がお酒を飲んでいるそうです。人数に換算すると約24憶人になります。
男女の内訳は、男性が約15憶人、女性が約9憶人となっています。
また、1ドリンク=純アルコール10gと定義した時の1日当たりの平均飲酒量は、男性が1.7ドリンク、女性が0.7ドリンクということがわかりました。
アルコール度数5%のビールを350ml飲んだ時の純アルコール量は14g(1.4ドリンク)なので、それほど多くないような気もしますが、あくまで平均飲酒量ですからね。
でも、驚くべきことに、2016年には「アルコール関連死」によって世界で約300万人が亡くなっているのです。

アルコール関連死ってなに?

お酒を飲むことでもたらされる健康障害として、
・肝障害(脂肪肝・アルコール性肝炎・肝硬変など)
・高血圧
・高尿酸血症
・膵炎
・脂質異常症
・がん(肝臓がん・食道がん・口腔がん・咽頭喉頭がん・乳がんなど)
が挙げられます。
これらの直接的な健康障害以外にも
・お酒を飲むことにより起こるトラブル(飲酒運転・けんか・転落死・溺死)
・お酒を飲んだことでかかるリスクが高まる感染症(結核・エイズ・肺炎)
という間接的な健康障害もあります。
このお酒を飲むことで直接的・間接的に生じる死はアルコール関連死と呼ばれています。
先ほども書いた通り、アルコール関連死で約300万人が亡くなったというのは結構な数字で、年齢調整死亡率(基準となる人口の年齢を考慮して補正した死亡率)の、男性は6.8%、女性は2.2%にもなります。
もっと年齢を絞ってみると、15~49歳の人口では、なんと男性は12.2%にもなるのです。(ちなみに女性は3.8%)単純に言うと、死亡した人の10人に1人くらいがアルコール関連死ということになります。
同年齢層のアルコール関連死亡率にはお国柄があり、イスラム圏の中東の国やシンガポールは低く、ロシア・モンゴル・東欧・中央アジアでは高くなっています。
たしかに、イスラム教はお酒を飲んではいけない戒律があるので、イスラム圏の国は低いは納得ですし、ロシアなどはウォッカを浴びるように飲んでいるイメージがあるので高いのも納得ですね。
日本のアルコール関連死亡率も調べたかったのですが、残念ながら調べきれませんでした。

百薬の長の時もある?

でも、アルコールの擁護をするわけではありませんが、百薬の長と呼ばれる理由もあるのです。
それは特定の疾患に対して、アルコールは保護的な効果があるからです。
例えば、虚血性心疾患です。
虚血性心疾患とは、冠動脈が狭くなったり、閉塞したりすることで血流障害を起こす疾患です。虚血性心疾患になると、胸が痛くなったり、呼吸が苦しくなったりします。
しかし、アルコールを飲むことで、善玉コレステロール(HDLコレステロール)が増えたり、血管が硬くなるのを防いだりする効果があると言われています。
確かにお酒を飲むと、心臓がバクバクして血液のめぐりがよくなりますもんね。血流障害が改善されるのはわかる気がします。
このような効果があったことから「1日に適量(1~2ドリンク)お酒を飲むのは健康にいい」という認識が広まったのでしょう。

”適量”は0という結果に

でも、今回のUniversity of WashingtonのGriswold氏の発表で明らかになったのは、お酒を飲むことが効果的とされたのが「虚血性心疾患のリスクを最小限にする」のみで、他の疾患に対してはそんなに効果はマイナス、ということでした。
しかも、虚血性心疾患のリスクを最小限にするアルコールの量は1日0.8ドリンク、アルコール度数5%のビールを175mlくらいでした。
確かに、お酒を飲む人の虚血性心疾患の罹患率は低いですが、その他の疾患にかかる率やアルコール関連死のリスクは、お酒を飲まない人より高くなっています。
ちなみに、日本人は虚血性心疾患のリスクより脳卒中のリスクが高い傾向があり、お酒を飲むと脳卒中のリスクが上がるという研究結果が出ています。
そのことを考えると、健康にいいといわれるお酒の適量は”0”となってしまい、「酒は百薬の長」という、呑兵衛の強い味方の決め台詞は意味をなさなくなってしまうわけです。

あくまで”健康にいい適量”がないというだけ

健康にいい適量が0だからと言って、お酒を飲む=即何かしらの疾患にかかる、わけではありません。何かしらの疾患にかかるリスクが増える、というだけです。
お酒を飲むことで、ストレスが解消するというプラスの側面もあります。
何かしらの疾患にかかるリスクを考えすぎると、何もできなくなってしまいますし、それ自体がストレスになってしまいます。
飲みすぎず、人様に迷惑をかけない程度にお酒を楽しむ、というのは悪いことではないのではないでしょうか。

-医食同源

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