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新型コロナウィルスのせいで売り切れる品が続々
まずは消毒!みんながそう思った結果、アルコールが街から消えた
中国武漢から事を発したと言われている、新型コロナウィルス。中国での感染が広がったのに遅れること数か月、日本でも感染拡大が続いています。未だにワクチンや有効な薬が無いことが、新型コロナウィルスへの恐怖を大きくしていますよね。
誰もがコロナウイルスに感染したくないと考えて、感染防御対策を考えます。基本的に、手洗い・うがいの習慣のある綺麗好きの日本人ですので、感染しないように+αを考えた結果、「消毒!除菌!」に辿り着いたのは当たり前と言えば、当たり前です。
その結果、ドラッグストアからは、アルコールが除菌シートや、除菌スプレーなど”除菌・消毒”と書かれた商品が消え去っています。みんなが買っている品が手に入らないと、どうしても焦燥感を持ってしまうのも日本人ですよね。
(そのおかげで、今はトイレットペーパーやティッシュペーパーまでもが売切れてしまっていますが・・・)
でも、安心してください。そいうった商品が買えなくても、代用品を使ったり、自分で作ったりもできるんです。
今回は、ウィルスを家に持ち込まないための消毒液などを紹介します。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液を作ってみよう
次亜塩素酸ナトリウムはノロウィルスにも有効!
消毒薬には、アルコールだけではありません。ヨード、クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウムなど、たくさんあります。細菌芽胞も殺菌できるとか、ウイルスに効くとか、皮膚や粘膜に使えるとか、それぞれの消毒薬には特徴があり、用途に合わせて使用されています。
その中で、次亜塩素酸ナトリウムって聞いたことありませんか?
新型コロナウィルスの騒動の前にも、ノロウィルス対策にも効果があると言われていたアレです。次亜塩素酸ナトリウムは、新型コロナウイルスにも有効です。
むしろ、この次亜塩素酸ナトリウムは、アルコールよりも殺菌力が強い印象です。というのは、一概には言えないですが、アルコールは、細菌芽胞や一部のウイルスに無効ですが、この次亜塩素酸ナトリウムは、芽胞やほぼすべてのウイルスに有効です。もっとも、次亜塩素酸ナトリウムが金属を腐食するのに対して、アルコールは、金属表面に使えるなど利点もありますので、用途によって使い分けるのが正解だと思います。ちなみに、消毒薬の分類的には、どちらも中水準の消毒薬となっています。
次亜塩素酸ナトリウムは、ハイターの成分
次亜塩素酸ナトリウム水溶液を作るために必要なものはたったの2つ
- 水道水
- 塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウムが入ったもの)
です。
塩素系漂白剤は、スーパーなどで、まだ売り切れていない・・・はず?ですね。
次亜塩素酸ナトリウムって?、塩素系って?、と思うかもしれませんが、具体的な商品名としては、ハイターやブリーチが有名です。「まぜるな危険」って書いてある漂白剤です。
ハイターとキッチンハイター、キッチンブリーチの違い
さて、塩素系漂白剤を買おうと、スーパーに行くと、もしかすると困ることになるかもしれません。というのは、「ハイター」と言っても、売り場には、2種類以上並んでいたりするのです。容量の違いではありません。「ハイター」と「キッチンハイター」、もしかすると、その隣には、「キッチンブリーチ」も同じような容器で売られていることがあります。
結論から言うと、どれを買っても、これから作る消毒薬が作れます。
でも、気になりますよね。違いを調べてみました。
「ハイター」には、界面活性剤が含まれていません。ちなみに、界面活性剤とは、洗剤のことです。
「キッチンハイター」と「キッチンブリーチ」には、どちらも界面活性剤が含まれています。
正確には、「キッチンハイター」が、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウムという陰イオン界面活性剤、「キッチンブリーチ」が、アルキルアミンオキシドという両性界面活性剤です。両性の方が強そうですが、混ぜて酸性にして使うことはないと思われるので、大差ないと思われます。
でも、値段は、キッチンブリーチの方が安いですね。
キッチンハイター、ハイター、ブリーチの濃度
ブリーチが、ハイターより安いから、薄いのかとも思ったのですが、濃度は、どちらも5%程度のようです。この濃度は、ネットから拾った情報で、実際には、どの製品にも、パッケージに、正確な濃度が書いてありませんでした。
厚生労働省のページを参考にすると、「花王:ハイター 水1Lに本商品25mL(商品付属のキャップ1杯)」に対して、「カネヨ石鹸:
カネヨブリーチ 水1Lに本商品10mL(商品付属のキャップ1/2杯)」「ミツエイ: ブリーチ 水1Lに本商品10mL(商品付属のキャップ1/2杯)」となっていましたので、製品によって濃度が異なるようです。
また、次亜塩素酸ナトリウムは、光などで分解され、工場出荷時の濃度が徐々に下がっていくようなのです。あまり古い製品を使うと効果が弱いかもしれません。
これから紹介する消毒薬の作り方で、キャップで測るのもなどと適当なのも、もともとの濃度が正確でないためもあるので、めちゃくちゃ量が違わなければ、神経質に考える必要はなさそうです。
消毒薬としての濃度は、0.02%
アルコールの代わりに使う次亜塩素酸ナトリウム水溶液の濃度は、0.02%で良いようです。ただ、厚労省のページでは、0.05%の作り方の説明がありますので、より効果を期待するなら濃くても良いとは思います。
もちろん、ノロウイルスが疑われる糞便を処理する時などには、これよりも濃い濃度が必要となりますが、通常の消毒では、0.02%で十分と言われているようです。
ようは、5%の溶液を250倍に薄めれば、0.02%溶液ができます。
0.02%ハイター消毒液の作り方
この次亜塩素酸ナトリウムの消毒液の作り方もとっても簡単です。でも、目に入ったりしないよう防護メガネをする、手についたりしないようにゴム手袋を使うなど注意をして作りましょう。もちろん、吸い込まない様にマスクも必要ですね。できれば、すぐに洗い流せるように、シャワーなどの近くで作ると良いと思います。
まず、有名な作り方の一つを紹介します。
- ペットボトルに水道水2ℓを準備します。2リットルペットボトルを使うと量を測らなくても良いので簡単です。
- その水道水の中に、500mlのペットボトルキャップ2杯分(約10ml)の塩素系漂白剤の原液を入れます。
これだけです。
この作り方だと、200分の1希釈じゃないかというツッコミもあるかと思います。もし、正確に200分の1に希釈できたとしても、結果は0.025%溶液になるだけなので、消毒液とすると誤差の範囲です。ですので、多くのホームページで紹介されています。実際に濃いかと言うと、薄めることで分解が速くなり、また、光で分解もされてしまうので、理論値よりも薄いと思われます。薄いと効果が落ちるので、少し濃い分には、良いのではないでしょうか。(実際、厚労省のページでは0.05%の作り方を紹介しています。)もっとも、ペットボトルの蓋で測っていますし、最初の濃度もわかりませんので、ある程度適当に作って大丈夫です。
後は、使うだけです。布に浸して、金属や皮膚など以外を消毒しましょう。
後述しますが、危険性もあります。スプレーボトルなどに詰め替えて使うのは、推奨されていません。吸い込んだり、目に入る危険性が高いためだそうです。
しかし、スプレーは便利ですので、自己責任で使用するのはありかなと思います。
家中を雑巾で掃除するような場合、2リットルでも良いかもしれません。ただ、日持ちがしないので、2ℓは多いなという場合もあるでしょう。
その場合は、以下のようにしても、同じ濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液ができますよ。
- 水道水500ml
- 500mlのペットボトルキャップ0.5杯分の塩素系漂白剤の原液を入れる。
私の場合、慣れてきてからは、漂白剤の量をキャップで計測するより、直接、漂白剤のボトルからスプレーボトルに入れたほうが安全かと、目分量で作成しています。(スプレーは危険性が高いため、自己責任で使っています。)
次亜塩素酸ナトリウム溶液の注意点
この方法で作った次亜塩素酸ナトリウム溶液は、手や指などの消毒には使わないでください。それどころか、使用する時には手袋を使用するのが推奨されます。あくまでも、ドアノブや冷蔵庫、電気のスイッチなどの消毒のために使ってください。ただし、サビの原因になりますので金属にも使えません。
サンポールなど、酸性の洗剤などと混ぜて使うと、塩素ガス(毒ガス)がでて危険です。実際に死亡事故も起こっていますので、他の洗剤と混ざらない様にしてください。
使う時は風通しをよくしてください。
スプレーで使うときには、目に入ったりしない様にしてください。メガネやゴーグルをするのが推奨されます。小さなお子さんがいたずらをして顔にかかるという事故もあるようですので、子どもが触らない様にしてください。
また、スプレーでは、吸い込む恐れがありますので、他人がいない場所で、マスクをするべきと言われています。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液が衣服に着くと、脱色の恐れがあります。衣服にかからないように注意をしてください。
自作した次亜塩素酸ナトリウム溶液は、なるべく早く使い切ってください。時間が経つと効果が減ってしまいます。
どれくらいのスピードで分解が進むかは調べられませんでした。1週間有効というホームページもあれば、その日のうちにと書いてあるものもありました。
慣れれば、1分もかからない作業なので、使いたい日に作るのが良いと思います。
中性洗剤から消毒液を作ってみよう
もし、塩素系漂白剤が売切れてしまっていたら・・・。
安心してください、なんと中性洗剤からも消毒液が作れるんですよ!
こちらの消毒液も、手や指の消毒ではなく、ドアノブや冷蔵庫などの消毒に使えます。
中性洗剤消毒液のつくり方
こちらも、本当に簡単に作ることが出来ます。
必要なものは
- 水道水
- 中性洗剤(台所用合成洗剤)
この2つです。台所用合成洗剤とは、簡単に言うと食器洗い用の洗剤の事ですね。
作り方は
- 約1ℓのぬるま湯を用意する
- そのぬるま湯に5~10cc以上の台所用合成洗剤を加える
たったこれだけです。
あとは、やはりスプレーボトルなどに入れてシュシュっと吹きかけて拭くだけ。
あ~簡単!
どうして台所用合成洗剤でOKなの?
みなさん、「なんで台所用の洗剤でコロナウィルスの消毒液が作れるの?」と疑問に思いますよね。
その答えは、界面活性剤にあるんです。
界面活性剤には、アルコールと同じようにウィルスにある「エンベロープ」という脂質の幕を破壊する力があるのです。
今回の新型コロナウィルスとよくにたSARSウィルスでは、界面活性剤がエンベロープを破壊し、ウィルスの感染力をなくしたという実験結果があるそうです。
ですので、今回の新型コロナウィルスにも界面活性剤が同じような効果を発揮するのではないかと、国立感染症研究所が発表しているのです。
(2020年3月6日現在、正式に新型コロナウィルスに効果があるとは発表されていません。「効果があると期待している」という発表があるということです。)
作るのが面倒くさいという人には(笑)
実は身近にある代替品
次亜塩素酸ナトリウム水溶液も、中性洗剤消毒液も作るのは簡単ですが、面倒くさいって思う人もいますよね。
その気持ち、とってもよくわかります(笑)。
そんな方には、代替品がお勧め。
キッチンクリーナー(シートタイプ)
シートタイプのキッチンクリーナー。実はとても消毒に役立つんですよ。
品質表示の成分を見てみてください。
- 精製水
- 界面活性剤
- プロピレングリコール
- エタノール
- 除菌剤
ね、界面活性剤は入ってるわ、エタノールは入ってるわ、除菌剤は入ってるわで、消毒にはもってこいなんですよ。
でも、”キッチン”と銘打ってあるので、みんな「これはキッチンの掃除に使うもの」と思い込んでしまってるんですね。
実際、お店では除菌ティッシュの棚はガラガラでしたが、キッチンクリーナーはしっかり在庫がありましたよ。
もちろん、こちらも手や指の消毒には使わないでくださいね!
あくまでも、モノの消毒に使ってくださいね。
トイレのふき取りクリーナー
これは普段からトイレ掃除に使っている人も多いかも入れませんが、消毒としても役に立つんですよ。
成分を見てもらうとわかるように、界面活性剤とエチルアルコールですからね。
こちらも手指の消毒には不向きです。
手や指の消毒はどうしたらいいの?
今回は家の中での対策ということなので、手や指の消毒はずばり
石鹸やハンドソープでしっかり手を洗う
ことが一番です。
先ほども書きましたが、ウィルスの脂質の幕は界面活性剤に弱いのです。
ですから、石鹸やハンドソープを使った手洗いは、物凄く手や指の消毒に有効なのです。
外から帰ってきたら、まずはしっかり手洗い、その後に消毒液などで手を洗う前に触れたところを消毒すれば、しっかりとした感染予防になります。
うがい・手洗い・消毒で新型コロナウィルスに感染しないようにしましょう
このように、家でも簡単に消毒液となる物を作ることが出来ます。
今猛威を振るっている新型コロナウィルスに感染しない、人に感染させないためにも、うがい・手洗い・消毒を心がけていきましょう!