βカロテンは喫煙者に対して肺がんの危険性があるかも
一時期、ベータカロテンが流行りましたよね。
でも、喫煙者の場合、ベータカロテンで癌のリスクが高まるとの報告がでてきて、下火になりました。
実際には、癌との関連に確実な根拠はないようで、特に、非喫煙者に対して発がん性が高まると示されたわけではありません。
でも、なんだか不安なので、喫煙者は、大量に摂取しないほうが良いかもしれませんね。
特に、マルチビタミンのようなサプリメントには、入っている可能性があるので、気になる人はチェックしたほうが良いとおもいます。
βカロテンとは?
β-カロテン(ベータカロテン、ベータカロチン、β-carotene)は、ニンジンや柑橘類などに多く含まれる赤橙色の色素の一つとなります。
カロテンは、植物によって生合成され、光合成に関与します。
動物は、ビタミンAの前駆体であるカロテンを生合成することができないですが、植物から摂取して、小腸でビタミンAに変換し、脂溶性のため、肝臓や脂肪に蓄えられます。
ちなみに、卵の黄色やバターの黄色もこのカロテンと言われいます。
βカロテンをとりすぎると
柑橘類やニンジンなど、カロテンを多量に含んだ食品を大量に食べると、カロテンが血漿中に増加します。そして、皮膚、特に手掌などが黄色になってきます。
これは、カロテン血症とか、柑皮症(かんぴしょう)と呼ばれています。
黄疸との違いは、眼球結膜は黄色くならないことです。そして、黄疸と違い、カロテンの摂取を少なくすると治るので、基本的には健康的には問題がありません。
ただし、先に述べたように、βカロテンと喫煙者の癌との関連がある可能性があります。
黄斑変性症のサプリメントのβカロテン
眼の病気で、失明もする可能性のある黄斑変性症は、現在、まだ確実に治す治療法がありません。
ただ、サプリメントで予防ができたり、症状が抑えられるという報告があるので、眼科では、保険適応ではありませんが、サプリメントを処方しています。
そのサプリメントには、昔は、βカロテンが入っていました。
その後、肺がんとβカロテンの可能性が示唆されたため、喫煙者用のβカロテンが入ってないものと非喫煙者用のβカロテン入りの2種類のサプリメントが作られました。
現在では、非喫煙者用のサプリメントと喫煙者用のサプリメントの区別はなく、βカロテンは使われていません。
現在の黄斑変性症のサプリメントの成分は、
・ルテイン
・ゼアキサンチン
・ビタミンC
・ビタミンE
・亜鉛
・銅
が、一般的になっています。
時代が変わると、良いと言われるものも悪くなるんですね。
あまり、時代に流されて、健康食品などはとらないほうが良いのかもしれません。