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いのちをつなぐ0000JAPANご存知ですか?
2018年6月18日、大阪府北部で最大震度6弱の地震が発生しました。
地震大国日本なだけあり、人々は落ち着いて行動し大パニックに陥るということはありませんでしたが、大阪内の主要な電車が不通となり、通勤通学途中で電車を降ろされたりと、たくさんの人が大変な状況になりました。
テレビの映像などでも、駅などでスマホで連絡を取っている人々が映し出されていましたよね。
災害時に連絡を入れたい、もしくは無事であることを伝えたい。そこで役立つのが、個別に連絡しなくても、自分の状況を書き込むだけで大勢の人に伝えることができる、ツイッターやフェイスブックなどのSNSです。
自分のことを心配しているであろう人に、無事をいち早く伝えたい、そんな時に、スマートフォンのデータを使いすぎていて、通信制限にかかってしまうなんてことは避けたいですよね。
00000JAPAN
そんな時に役に立つのが00000JAPAN(ふぁいぶぜろじゃぱん)です。
00000JAPANとは、大規模な災害が発生した時に、安否確認や被害の情報収集などを行いやすくするために無料で開放される公衆無線LANの統一ネットワークの名称です。
公衆無線LANですので、契約など一切なしで誰でも無料で使うことができます。
SSIDを00000JAPANと選択すればパスワードなしでインターネットに接続が可能です。
この00000JAPANが今回の大阪地震で開放されました。
いつから始まったのか?
00000JAPANが実際に運用されたのは、2016年4月14日に発生した熊本地震でした。しかし00000JAPANの構想のきっかけとなったのは2011年の東日本大震災でした。
東日本大震災発生後、KDDIは1日半で車載型基地局を立ち上げ、被災地に延べ70か所設営されました。また、避難所や仮設住宅などには、通信事業者などが臨時の公衆無線LANを設置もしました。
その経験を踏まえ、災害時の無線LAN開放のガイドラインが制定され、2014年に00000JAPANが始まりました。
00000JAPAN開放の定義
00000JAPANが開放されるのは、
「携帯インフラの被害の軽重を問わず、自治体等が公衆無線LANの無料開放の必要性を判断し、自治体と事業者の協議で決定後」で、
開放が始まる時間の目安は「72時間以内」となっています。
今回の大阪地震は地震当日に00000JAPANが開放されました。
00000JAPANが使える範囲は
全国にある、DOCOMO、AU、SOFTBANKの82万のWi-Fiスポットが使えるので、日本全国の約8割の地域で使うことができます。
00000JAPANの今後の課題
・周知徹底を図る まだまだ00000JAPANの存在を知らない人が多いのが現状です。今回の大阪地震で開放がニュースなどで取り上げられたことにより、認知度は上がったと思いますが、携帯やスマートフォンを持っている人が全員知っていれば、いざというときに心強いのではないでしょうか。
・誰でも使用できるように 00000JAPANを提唱した無線LANビジネス推進連絡会が釜石市、仙台市で実証実験を行ったところ、参加者の4割の人が利用方法がわからずに00000JAPANに接続できませんでした。その後、説明員の説明を聞くと9割の人が利用可能という結果になりました。SSIDの切り替えなど、使い慣れていない人が、いざという時に使えるかどうかが課題となりました。
・セキュリティ面の安全 00000JAPANは無料開放、かつパスワードなしで接続できる環境なので、通信内容を暗号化してありません。大事な情報が傍受されてしまう可能性があります。
00000JAPANは世界初の試みです。災害大国の日本ではとても意味のあるものです。どんどん改善して災害時の心強いインフラになれば素晴らしいことです。