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保護観察付執行猶予中にできることできないこと
某迷惑系YouTuberに有罪判決
会計前に商品を食べたなどの罪に問われていた、某迷惑系YouTuberに有罪が確定しました。
懲役1年6月、執行猶予4年が確定したそうです。
執行猶予とは?
懲役1年6月、ということは刑務所に行くの?と思いますよね。
でも、「執行猶予」が付いた場合は有罪確定即刑務所行というわけではありません。
執行猶予とは、文字通り刑罰の「執行」を「猶予」されることです。
ですので、某YouTuberは刑務所に行くことは”今のところ”ありません。
しかし、この執行猶予中に再犯した場合は、刑が即執行されます。
保護観察付とは?
では、「保護観察付」とはどういうことなのでしょうか。
法務省によると
犯罪をした人または非行のある少年が,社会の中で更生するように,保護観察官及び保護司による指導と支援を行うもの
なんだそうです。
指導には
- 対象と面接し生活状況を把握する
- 生活に必要な支持・措置をする
- 性犯罪や薬物犯罪など特定の傾向のある犯罪に対する改善や処遇をする
支援には
- 対象者の住居や宿泊場所の調整をする
- ボランティア活動などを勧め健全な生活を助言する
- 通院や服薬をきちんとできるように助言する
- 生活環境の改善や調整をする
- 就職の情報を提供したり、ハローワークに同行する
- 依存症からの回復を支援する団体などの情報を提供する
などの活動があるそうです。
保護観察が付くとSNSができない?
某迷惑系YouTuberは、有罪判決が出た後に
「 これから4年間保護観察がつくのでSNS活動ができなくなりました! 」
と発言をしました。
ここで、ちょっと不思議に思ったのが保護観察がつくとSNSができなくなるのか?ということでした。
そこで、保護観察について調べてみたのですが、保護観察がついた人税印がSNSができなくなるわけではありませんでした。
保護観察中には必ず守らなければいけないルールがある
保護観察がついた人には、必ず守らなければいけないルールが設けられています。
それは、一般遵守事項と呼ばれています。
この一般遵守事項は、多岐に渡っているのですが、例としては
- 健全な生活を送ること
- 生活実態に関する資料を提出すること(住所など)
- 転居や長期旅行をする場合は必ず事前に保護観察所長の許可を取ること
- 保護観察官や保護司の面接を受けること
となっています。
しかし、この一般遵守事項に「SNS禁止」とは書かれていません。
では、何故某YouTuberは「SNS活動ができなくなった」と言ったんでしょうか。
実は、この一般遵守事項の他に「特別遵守事項」というルールもあります。
この特別遵守事項は、保護観察がついた人すべてではなく、事件の内容や個人の問題性に合わせて作られるルールなのです。
例としては
- 学校に遅刻早退せず通うこと(少年の場合)
- 仕事をきちんとすること(成人の場合)
- 被害者に接触しないこと
- 共犯者と接触しないこと
- 性犯罪者処遇プログラムを受けること
などがあるようです。
某YouTuberは、YouTubeという媒体で迷惑行為を発信し、犯罪を犯したのですから、この特別遵守事項でSNS投稿禁止となった可能性が高いと思われます。
遵守事項を守らなかったらどうなる?
では、遵守事項を守らなかった場合はどうなるのでしょうか?
執行猶予は、取り消される場合があります。
その取り消される場合の中に
第二十五条の二第一項の規定により保護観察に付せられた者が遵守すべき事項を遵守せず、その情状が重いとき。
刑法二十六条の二 二
があります。
つまり、遵守事項を守らなかったら執行猶予が取り消されることがある、ということなのです。
なので、某YouTuberの「SNS投稿の禁止」が特別遵守事項であった場合、守らないと執行猶予が取り消されるということになりかねないわけです。
遵守事項を守っていれば行動には自由がある
保護観察付執行猶予になった人は、がちがちのルールに縛られるわけではなく、遵守事項を守っていれば、行動には結構自由があるようです。
仕事を始めたり、結婚をするのも自由ですし、長期の旅行にも行くこともできます。
もちろん、これらはすべて保護観察官や保護司に「報告」しなければいけませんけれど、報告さえきちんとすれば大丈夫なのです。
某YouTuberさんも、遵守事項を守って平穏に暮らしてほしいですね。