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カザフスタン人は親切でフレンドリーだが、外務省の治安情報ではレベル1
今回は、あまり日本人には馴染みがないカザフスタンについてです。
旅行で訪れた人は、あまりいないのではないでしょうか?
ところで、カザフスタンって、どんなイメージでしょうか?
○○スタンというつくので、ニュースになることが多い、「アフガニスタン」とか「パキスタン」とか、なんだか危険そうなイメージじゃないでしょうか。
旅行なんて”とんでもない”と思っている人も多いでしょう。
カザフスタンは海外危険情報はレベル1
外務省の海外安全ホームページの海外安全情報では、カザフスタン全土がレベル1の「十分注意してください」になります。
実際に少し危険な事件も起こりました。2016年にアクトべという都市(中央やや西)の都市でテロが発生しています。翌年以降もテロ支援の宣伝活動をネットでしていた人が逮捕されているようです。
一般的な犯罪も多く、2017年のカザフスタンの犯罪件数は31.6万件となっています。ちなみに、同時期の日本は91.5万件です。カザフスタンの人口は1760万人、日本の人口が1億2623万人ということを考えると犯罪は多いといえるので注意が必要ですね。
実際カザフスタン(ヌルスルタンとアルマトイ)を街歩きして治安は良いと感じた
そんな危険なイメージで、実際にちょっと危険と外務省が言っているカザフスタンを訪問してきました。
危ないと思って用心はしていましたが、実際にヌルスルタンとアルマトイの街を歩いた感じでは、安全そうに思えました。暑いので夕方から夜中にかけて人が出てきて、真っ暗な中、小さな子供が遊んでいたりして、暗くなってからがより活気があった感じです。
もっとも、夜中の外出はできればしないほうが良いのは、海外旅行では当たり前の自衛策ですよね。周りの雰囲気も注意しておいた方が良いのも言うまでもありません。
は落書きやゴミなどで街があれている感じでもなく、昼間からぶらぶら集団でたむろっている危険そうな集団とか全く見かけませんでしたので、よっぽどヨーロッパの一部の国の方が危険性を感じました。
もっとも短期間の印象でなにもなかったので、実際は違うのかもしれません。
まったく私と同時期に行った方とお話しする機会があったのですが、田舎の都市で警官にカツアゲされたと言っていました。その方曰く、ヌルスルタンとアルマトイだけは大都市なので治安に力を入れているので大丈夫だけど、田舎は危険と言ってましたが、実際のところはわかりません。

カザフスタン人はとってもフレンドリーで親切
私のカザフスタンのイメージは、訪問後に変わりました。人がすっごく親切でフレンドリーというイメージです。
空港から中心部まではバスで移動したのですが、何人もの人が私たちに「どこで降りるのか?」と尋ねてきて、降りる場所で声をかけて教えてくれました。
言語は、英語はほとんど通じませんが、1か月ほどかじったロシア語でなんとかなりました。(一部のレストランのメニューのロシア語では撃沈しましたが…)
街中を歩いていても、レストランや博物館でも、ヌルスルタンでは観光客はほとんどいないためなのか、「どこから来たの?」とか、」「なんでヌルスルタンに来たの?」とか声をかけられることが多かったです。英語で話してくるのは、若い人だけでしたが、男性も女性も積極的に声をかけてきてくれました。
もしかしたら、英語を話せる機会を狙っていただけなのかもしれません。でも、おかげで、カザフスタン訪問が楽しいものになりました。
カザフスタン首都は大統領の名前をとりアスタナからヌルスルタンと2019に改名
カザフスタンの位置
さて、カザフスタンはどこにあるでしょうか?
答えは、地図上で、ロシアの下、モンゴルの左、中国の左上になります。カザフスタンの下はウズベキスタン、そして、左下の方でカスピ海に面しています。
簡単に書いてみました。

カザフスタン独立は1991年。首都は1997年に遷都。首都名はアスタナからヌルスルタンに2019年に変更

カザフスタン共和国は、1991年12月16日にロシアから独立した新しい国です。
首都は、ヌルスルタンになります。1997年にアルマトイから遷都されました。
最初は、アスタナという名前でしたが、本年(2019年)3月にヌルスルタンという名前に変わりました。
ヌルスルタン(アスタナ)は、非常に都市が新しく綺麗です。東京都知事選挙にも出馬した黒川紀章の都市計画に基づいて建設されています。できあがるのは2030年とも言われていて、まだまだ発展の途中です。
ちなみに、空港も新しく2005年に完成しており、これも黒川紀章の設計です。

建築に興味がある人は、ぜひ訪れる価値があるでしょう。
ヌルスルタンの名前の由来
まず、前の名前の、アスタナは、カザフ語で“首都”という意味でした。
さて、現在のヌルスルタンはというと、初代大統領の名前になります。正確には、ヌルスルタン・ナザルバエフ初代大統領だそうです。
初代と言っても新しい国ですから、昔の人ではありません。今年(2019年)に辞任したそうです。それまでも、首都名をヌルスルタンにしようという議論があったようですが、ご本人が固辞されていたようです。辞任後、満を持して議会が全会一致で首都名を変えたそうです。
初代大統領の手形が、ゴールデンボールがのっかっているモニュメントの中にあります。

(正確には、このモニュメントは、“バイテレク”と言って、英国人建築家の設計だそうで、黒川紀章は関係ないようです。)
このモニュメントには有料で登ることができます。中では、カザフスタン人が自分の手を合わせて写真を撮るのに列をつくっていました。いかに、人気があった大統領かがわかりますね。

ヌルスルタンへの行き方と観光
ヌルスルタンへのダイレクトフライトはない
ヌルスルタンへの日本からのダイレクトフライトは今のところないようです。
乗り継ぎの経由地は、ソウル、北京、イスタンブール、モスクワなどがありますが、どれも一長一短です。
格安航空券を扱う会社は、いくつかあります。
けっこう値段が違うし、検索されるルートが違うので、いくつかを調べてみることをお勧めします。
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エコノミークラスだと、暇な時期で、だいたい10万円前後くらいで購入できます。忙しい時期だと、20万円近くになることもあります。
見どころがないヌルスルタンの観光に行く意義
ヌルスルタンは、新しい都市ですから歴史的な観光地がありません。ですので、訪れる人は少ないと思います。
ガイドを見ても、大きなモスクとか、たいして高くもないタワーが載っているだけでしょう。

なぜ、そんなヌルスルタンに行くのかというと、ずばり都市計画です。
黒川紀章という日本を代表するような方が設計したという都市を見たくないですか?
建築家がやりたい放題したら、どんな街になるのか知りたくないですか?
私にとって、ヌルスルタンの観光は、ずばりそこにありました。
大統領府まで見通せる公園、奇抜な形をした高層のビル群、普通の国ではできないですよね。
ロシア語の留学をするなら、ここかなと思っています。



ハーン・シャティール(ショッピングセンター)

ハーン・シャティール(ショッピングセンター)の方向を撮った官公庁街。


奥には、ハーン・シャティール(ショッピングセンター)

ヌルスルタンのおすすめの宿泊
新しい都市ですので、たぶん、どこに泊まってもきれいです。街を歩くのも危険性が少ないと思いますし、バスも縦横無尽に走っていますので、どこに泊まって良さそうです。
しかし、縮尺がおかしいので、近くに見えていてもかなり歩きます。ちなみに私は、テントのようなショッピングセンターから大統領官邸を超えて、モスクまで1往復半しました。一日に20キロ以上歩いたとスマホの万歩計が示していました。
バスにも簡単に乗れますが、やっぱりきれいな公園を歩きたいですよね。ということで、なるべく公園の近くに泊まったほうが良いと思います。
私が宿泊させてもらったのは、ハーン・シャティール(テント型のショッピングセンター)近くのアスタナ・マリオット・ホテルです。5つ星ですが、他の都市を考えると安く泊まれます。ホテルの入り口には、テロ対策なのか空港のようなセキュリティがあり安心です。
写真でもわかるように、カザフスタン国営石油会社がホテルの窓からきれいに見えます。

大統領官邸から見て、公園の逆側にありますが、ショッピングセンターがあったりして、どのあたりに泊まるかは個人の好みではないでしょうか。
ホテルを予約するのに、私が利用しているのが↓
【HotelsCombined】
エクスペディア、booking.com、priceline、ヒルトンなど、ホテル予約サイトのまとめサイトです。例えば、expediaに載っていなくても、booking.comに載っているホテルがあったりする場合もありますし、一番安いプランを選べるので、比較するのにお勧めです。
ただし、2019.11月現在、まだ、「ヌルスルタン」では検索できません。「アスタナ」で検索してください。
中国国際航空での乗り継ぎで遅延のため乗り遅れそうになった体験談
私は、中国国際航空から、エアアスタナに乗り継ぎました。
中国国際航空は、定時運行されないという噂で出発前から戦々恐々でしたが、例にもれず、私の便も遅れに遅れ、乗り換え時間は90分しか残っていませんでした。
荷物がスルーで目的地まで行かないので、入国して、荷物を受け取り、ターミナル移動して、チェックインカウンターに着いたのは、出発30分前でした。もう駄目かと思ったら、真っ暗になった通路に明かりが‥‥
荷物は大型荷物のところから預け入れ、セキュリティは汗だくで怪しまれそうでしたが何とかなり、搭乗しているラインがなくなりそうな出発10分ほど前にゲートに到着できました。
すべて全力疾走だったので、汗でベタベタでした。
北京空港は広いです。ターミナルの移動は10分ほどバスに乗る必要があります。乗り換え時間は、3時間以上は確実に必要です。私も十分にあったはずなのですが…。

北京経由は悪くはないが、発券をバラバラでしてはいけない
で、北京経由がオススメでないかというと、そうではありません。逆にお勧めです。
入国、チェックイン、セキュリティなどで融通が利いて、乗り場などの案内は完璧でした。もう、中国に昔のイメージはないです。
ただ、中国乗り換えなら、絶対に「航空券は目的地まで同時に発券すべき」です。
安いからと、中国までと中国からのチケットをバラで買ってはなりません。航空機が遅れた時に、私のようにひどい目にあいます。
荷物をピックアップするために入国するかしないかで、運命が分かれる場合があります。といっても、普通の乗り継ぎの人も走っていました。ギリギリの乗り継ぎは禁物です。
北京以外の経由地は?
モスクワ乗り継ぎも良い話はききませんが、入国してしまって、モスクワ観光をするのもありかと思います。そうすれば、乗り遅れることはないでしょう。
イスタンブールは、空港が新しくなって良さそうですね。ただ、航空券がやや高いかもしれません。昔、テロがあったのと、現在、隣国ともめているのが嫌なところですね。
ソウル乗り継ぎは、現在、縮小傾向にあり、社会情勢を考えると問題外かもしれません。何かあっても世間は冷たいです。私なら、絶対に選ばないルートです。