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Forever21がダイエット製品をおまけで付けたら大炎上
洋服も気軽にネットで買える時代
最近は、時間が無くても、近所に店舗が無くてもネット通販という強い味方ができ、気軽にいろいろなものを買えるようになりました。
その中の一つに洋服があります。
試着もせずに洋服を買うって、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、サイズが合わなかったりした場合の返品なども気軽に受け付けてもらえるため、無駄な出費なども抑えられます。
さて、そんな便利な洋服のネット通販ですが、アメリカのforever21でちょっとした騒動が起きました。
Forever21とは
Forever21とは、アメリカのファストファッションブランドです。
お手頃な価格で、常に最新のファッションを取り揃えているため、購買層は主に若者となっています。
日本でも14店舗を展開しています。
このforever21とは、日本語訳の通り”永遠の21歳”の意味で、本店のあるアメリカでは21歳が大人になる歳、日本でいう二十歳のような感じにあたり、その人生で一番キラキラしているであろう21歳の気持ちを永遠に持ち続けようという意味が込められています。
ネット通販で届いた洋服についていたおまけとは
その若者に人気のforever21が今ちょっとした炎上状態となっています。
そのきっかけは、ネット通販のお客さんに付けた無料のおまけでした。
その無料のおまけとは、ダイエットバー。
届いた洋服の箱を開けたら、ダイエットバーが入っていた。 それを見たアメリカの若者の反応は
「私が太っていると言いたいの?」
「痩せろということ?」
などなど、怒り心頭だったみたいです。
日本の若者の反応は真逆
この騒動に対する日本人の若者の反応は、アメリカの若者とは真逆のものでした。
日本人の反応は
「え?ただで付いてきたらラッキーと思う」
「自分で買わない商品を試すチャンスじゃない?」
と、おまけはあくまでおまけで、それが自分に対しての何かのメッセージを含んでいるのでは?と考えてはない感じです。
日本人はこういう”ちょっとしたサービス”は好意的に受け取る傾向があるみたいですね(笑)。
炎上の一因はBody Shaming?
多分、今回forever21が付けたおまけが、ハンカチとかキーチェーンなどであればここまで炎上騒ぎにはならなかったはずです。 ダイエットバーだったのが問題なのです。
炎上の原因として、近年アメリカでは”body shamingを非難する”動きが考えられます。
このbody shamingとは、外見を批判する・外見を嘲笑するなどして人をはずかしめることです。
例えば、「もっと痩せれば?」とか、「あんまり筋肉をつけすぎると女性的な魅力がなくなるよ」などと言うこともbody shamingに当たります。
言った本人はアドバイスのつもりでも、言われた人は「ありのままの自分を受け入れてもらえてない」と受け取り、差別的な行為をされたと思ってしまうのです。
そして、アメリカではこのbody shamingについてとても敏感になっているため、洋服を買ったおまけにダイエットバーが付いてきたということは、自分に対してのbody shamingと受け取られ、大炎上につながったと考えられます。
body shamingと対を成すbody positive
body shamingと同じくbody positiveという考えも欧米では浸透しています 。
body positiveとは、画一的な美しさの基準をなくし、外見や体形の多様性を受け入れようというものです。
今までは、モデルと言えばやせ型で背が高い人しかいませんでした。そのモデル=美しいと無意識に刷り込まれてしまっている、その考えを捨てようというものです。 つい先日も、Nikeがプラスサイズのマネキンを作ったことで大きなニュースになりましたよね。 それもbody positiveの一環なのです。
背が高い自分も、少しぽっちゃりした自分も、髪が黒い自分も、誰に恥じることなくpositiveに受け止める、それがbody positiveなのです。
今や世界中で活躍している、タレントの渡辺直美さんもbody positiveの体現者として受け入れられているようです。
彼女は、まぁ見た通りかなりふくよかな体形ですが、自分自身でプラスサイズの洋服をデザインし、自分自身がモデルになり”ふくよかなサイズの人でもモデルになれる!おしゃれを楽しめる!”と、とても前向きに活動しています。
その前向きさと、デザインセンスが目に留まったのか、昨年GUCCI青山店のリニューアルパーティーに招待され、GUCCIの公式インスタグラムでも紹介されました。
残念なことに、そのインスタグラムには渡辺直美さんの体形を誹謗中傷するコメントが多数書き込まれたのですが、彼女は
「私の魅力にびっくりした様子?まだ2%しか出してないのに痺れちゃったのね。まだまだこれからよ」
とユーモアたっぷりなコメントを返しました。自分への誹謗中傷も、怒りではなくユーモアで返せるというところも彼女の評価が高い理由なんでしょうね。
悪意はなかったけれど・・・
今回のforever21の騒動は、forever21としては何の悪意もなく、ただ洋服を買ってくれたお客さんに対してのちょっとしたサービスのつもりだったのでしょう。
現に、プラスサイズのお客さんにだけでなく、すべてのお客さんにダイエットバーのおまけが付いていたようですし。お客さんに痩せろという意図でダイエットバーを付けたのであれば、プラスサイズのお客さんのみを対象にしたでしょうしね。
洋服にダイエットバーという組み合わせが、最近のbody shamingの排除やbody positiveの考えに敏感な人々を刺激してしまったのでしょう。
Forever21は謝罪し、今後ダイエットバーは付けないことにしたようですが、一度悪いイメージが付いてしまうと企業としては大変かもしれませんね。
色々なものに対する考え方や意識が、すごいスピードで変化していく現在、昔は大丈夫だったこともあっという間にNGになってしまうことが多々あります。
トラブルを起こさないためにも、どのような変化が起こっているのかに目を光らせないといけませんね。