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鼻ぺちゃ犬種・猫種 将来はどうなる?

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ヨーロッパで鼻ぺちゃ種に関する規制の動き

鼻ぺちゃ種とは?

まず、犬や猫のいわゆる「鼻ぺちゃ種」(正式名称は「短頭種」)とは

  • フレンチブルドッグ 
  • パグ 
  • ボストンテリア 
  • シーズー 
  • ペキニーズ 
  • チワワ 
  • マルチーズ 
  • ポメラニアン 
  • ヨークシャテリア 
  • キングチャールズスパニエル 
  • チベタンスパニエル 
  • 狆 
  • ブリュッセルグリフォン 
  • ブルドッグ 
  • チャウチャウ 
  • ボクサー
  • エキゾチックショートヘア 
  • エキゾチックロングヘア 
  • ペルシャ 
  • ペルシャ(チンチラ) 
  • ヒマラヤン 
  • ブリティッシュショートヘア

これらのような種を指します。

鼻ぺちゃ種は人気が高い

これら鼻べちゃ種は、短いマズルでくりくり大きい目をした愛嬌のある顔が特徴で、人気も高いです。

ジャパンケネルクラブが発表した、 2021年の登録数を見ても

2位:チワワ、4位:ポメラニアン、5位:フレンチブルドッグ、8位:ヨークシャテリア、9位:マルチーズ、10位:シーズー、12位:パグ

と、上位にたくさん名前を連ねています。

人気なのにノルウェーでは繁殖禁止?

しかし、2022年1月末にノルウェーで

イングリッシュ・ブルドッグとキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの2犬種の繁殖は動物福祉法に反する

と裁判所が判断を下したのです。

ノルウェー動物保護協会が、ノルウェーケネルクラブとブリーダー団体を相手取って行った訴訟の判決で、この判決により事実上イングリッシュ・ブルドッグとキャバリアキングチャールズスパニエルの繁殖禁止となるようです。

もちろん、現在飼われている犬には全く影響はなく、「これから」団体による繁殖が禁止されるとのこと。
(※ただし、個人での繁殖はOKのようです)

イギリスでは鼻ぺちゃ種の画像の使用を控えるよう呼びかけ

そして、イギリスでは、イギリス獣医師協会が、鼻ぺちゃ種の画像が使われたグリーティングカードを送らないようにと呼びかけをしました。

なぜ可愛い画像がダメなのか?と疑問を持たれたかと思います。
イギリス獣医師協会によると、かわいい鼻ぺちゃ種の写真を見て飼いたいと思うチャンスを減らすため、なんだそうです。

では、なぜ「飼いたいと思うチャンスを減らす」ことが必要なんでしょうか?

鼻ぺちゃ種特有の疾患

鼻ぺちゃ種を飼いたいという人が増えるということは、鼻ぺちゃ種の頭数を増やすということです。

しかし、鼻ぺちゃ種には「遺伝的疾患」が多いのが現実なのです。
なので、ノルウェーの動物保護団体や、イギリスの獣医師協会が「病気を持った子が生まれるのをわかっていて、頭数を増やすのはどうか?」と懸念しているのです。

では、鼻ぺちゃ種が罹りやすい疾患はどんなものがあるのでしょうか。

短頭種気道症候群

こちらは病名に「短頭種」とついていることからみても、本当に鼻ぺちゃ種が罹りやすい疾患です。

専門的に言うと、 「外鼻孔狭窄、軟口蓋過長、喉頭小嚢の外転、喉頭虚脱、気管低形成など 」のうち、一つもしくは複数の症状があります。

鼻ぺちゃ種は、生まれつき気道が狭い傾向があり、それにより呼吸をするときに「ブーブー」とか音が出たり、いびきをかいたりします。
気道が狭いと、呼吸がしづらくなり、呼吸を一生懸命することにより気道に負担がかかり、それにより気道がもっと狭くなるという悪循環が起こります。
また、体温調節が難しく熱中症になる可能性も高くなります。

短頭種気道症候群は、先天的な疾病なので完治することもありません。

目の疾患

鼻ぺちゃ種の目は、ちょっと出っ張っていて大きいですよね。
それは、眼窩が浅いので、それによって目玉が飛び出してしまうのです。
目玉が飛び出しがちなこと、また、顔にしわが多いという特徴から、皮膚の毛が目を刺激し続けてしまうことが原因による目の疾患が多くなってしまいます。

鼻ぺちゃ種の角膜潰瘍(目の表面の傷)が起きる可能性は、雑種犬の10倍以上とも言われています。

乾燥性角膜炎は、目玉が飛び出していることにより、目玉に保護するための涙が残りにくいために起こります。

目の角膜に黒い色素がつく、色素性角膜炎も、ある一定の年齢を超えた鼻ぺちゃ種では高い確率で起こります。

僧帽弁閉鎖不全症

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルに関していうと、この僧帽弁閉鎖不全症が最も罹りやすいといっても過言ではありません。
僧帽弁閉鎖不全症は、心臓病の一種で、他の犬種でも罹ることはあるのですが、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルに関しては、発症年齢が若く、4歳・5歳から発症することも少なくありません。(他の犬種はシニア期以降の発症がほとんど)
原因として、遺伝が考えられています。

鼻ぺちゃ種の「健康面」を考慮する方向に

フィンランドも、イギリスも、いわゆる鼻ぺちゃ種が「見た目の可愛さ」のために「健康」を犠牲にして生まれてきていることに懸念を抱いています。
長い歴史を持つ鼻ぺちゃ種(パグやペキニーズ)もいますが、近年「見た目重視」で品種改良をして生まれた種もいます。

深刻な病気にかかりやすかったり、短命であることが分かっているのに、「可愛い」とブームになって需要が増えた場合、安易に生み増やされるのは犬・猫にとって幸せなのか、と考える人が増えてきたのです。

もちろん病気のリスクなどを十分理解したうえで、鼻ぺちゃ種を飼いたいという人がほとんどと思いますが、ブームとなると勢いで飼い始めてしまう人も残念ながらいるのも事実なのです。

鼻ぺちゃ種将来はどうなるのか?

鼻ぺちゃ種の犬猫の健康面を考えて、これから「繁殖禁止」の流れになるのか?それとも、繁殖に制限がかかるのか?

鼻ぺちゃ種のファンの人にとっては、気になるところだと思います。

願わくば、鼻ぺちゃ種特有の疾患が遺伝しにくい、もしくは疾患にかかりにくい方向に品種改良や医療が進めばいいなと思います。

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