花粉症の症状を悪化させる食べ物があることご存知ですか?
今や国民的なアレルギー症状と言っても過言ではない花粉症。2月に入り、もうそろそろかも?とドキドキしている方も多いのではないでしょうか。
花粉症の人は、外出時にはマスクをしたり、室内では空気清浄機を使ったり、アレルギー症状を抑える薬を飲んだりと、色々予防や対策をしていらっしゃることでしょう。
しかし、普段の食生活はどうでしょうか?気を付けていらっしゃいますか?
花粉症に食生活が関係あるの?と思うかもしれませんが、実は花粉症を悪化させる食べ物があるのです。
花粉症の人は口腔アレルギー症候群になりやすい
まず、口腔アレルギー症候群について説明しましょう。
口腔アレルギー症候群とは、特定の野菜や果物を生で食べた時に、唇や口の中、のどなどにかゆみや、イガイガを感じる症状が現れる病気です。まれに、腹痛や下痢、ジンマシンなども引き起こしたり、重症になるとアナフィラキシーショックまで起こってしまう危険な病気なのです。
この口腔アレルギー症候群なのですが、花粉症の人が発症しやすいということが研究によりわかりました。なんと、花粉症患者の10人に1人が発症すると言われているのです。
では、なぜ花粉症の人の口腔アレルギー症候群の発症率が高くなるのでしょう?
それは、花粉に対して作られる抗体「IgE抗体」が関係しています。
花粉症の人は、花粉が目や鼻から体内に入ってきた場合「花粉は敵だ!」と認識してしまいます。その「敵」に対抗するために「IgE抗体」が作られるわけです。そのIgE抗体は、鼻や目の粘膜にある肥満細胞の抗体とくっつき、肥満細胞からヒスタミンなどの化学物質を分泌させます。ヒスタミンなどの化学物質は、くしゃみや鼻水、涙の分泌などの原因であるため、花粉症の人はその症状に苦しむことになってしまうのです。
そのちょっと厄介なIgE抗体なのですが、花粉のみならず、生の果物や野菜にも反応してしまうことがわかってきたのです。
IgE抗体を持った花粉症の人が、特定の果物や野菜を生で食べると、IgE抗体がそれらを敵認定してしまい、口腔アレルギー症候群が発症する可能性が高くなってしまうというわけです。花粉症の症状に加えて、花粉症の症状によく似た口腔アレルギーの症状まで出てしまうと辛さも倍増になってしまいますよね。
では、どのような果物や野菜に対して気を付けないといけないのでしょうか?
花粉(アレルゲン)別 注意しなければいけない果物&野菜
☆スギやヒノキの花粉が原因の花粉症で気をつけなければいけない食べ物
同じマツ目ヒノキ科に属するスギとヒノキ。どちらも東北から九州にかけて分布しており、花粉症の原因とされています。
スギ花粉は1月下旬から5月上旬まで、また、ヒノキ花粉は2月下旬から5月中旬までが飛散時期です。つまり、ちょうど今ぐらいから花粉の飛散が始まるわけです。
スギやヒノキが原因の花粉症の方が気を付けなければいけない食べ物は、ずばり
トマト
です。
☆ハンノキの花粉が原因の花粉症で気をつけなければいけない食べ物
ブナ目カバノキ科に属するハンノキは、北海道から沖縄まで日本全国に分布しています。ハンノキ花粉は1月中旬から5月上旬までが飛散時期です。
そのハンノキが原因の花粉症の方が気をつけなければいけない食べ物は
リンゴ・モモ・ナシ・ビワ・サクランボ・イチゴなどのバラ科の果物や野菜
メロン・スイカ・キュウリなどのウリ科の野菜
他には、ダイズ、キウイ、オレンジ、マンゴー、アボカド、ヘーゼルナッツ、ゴボウ、ヤマイモ、ニンジン、セロリ、ジャガイモ、トマト
です。
☆シラカンバの花粉が原因の花粉症で気をつけなければいけない食べ物
ハンノキと同じブナ目カバノキ科のシラカンバは、北海道から関東・東海まで分布しています。シラカンバ花粉は4月上旬から6月上旬までが飛散時期です。そのシラカンバが原因の花粉症の方が気をつけなければいけない食べ物は
リンゴ・モモ・ナシ・洋ナシ・スモモ・アンズ・サクランボ・イチゴなどのバラ科の果物や野菜
ヘーゼルナッツ、クルミ、アーモンド、ココナッツ、ピーナッツ、セロリ、ニンジン、ジャガイモ、メロン、キウイ、オレンジ、ライチ、ダイズ
マスタード・パプリカ・コリアンダー・トウガラシなどの香辛料
です。
☆オオアワガエリやカモガヤの花粉が原因の花粉症で気をつけなければいけない食べ物
イネ目イネ科に属するオオアワガエリ(別名チモシー)とカモガヤ(別名オーチャードグラス)は、北海道から沖縄まで日本全国に分布しています。どちらの花粉も4月中旬から11月上旬が飛散時期です。
それらのオオアワガエリとカモガヤが原因の花粉症の方が気をつけなければいけない食べ物は
メロン、スイカ、トマト、ジャガイモ、タマネギ、セロリ、オレンジ、キウイ、米、小麦
です。
☆ブタクサの花粉が原因の花粉症で気をつけなければいけない食べ物
キク目キク科に属するブタクサは、北海道から沖縄まで日本全国に分布しています。
ブタクサ花粉は7月下旬から11月上旬までが飛散時期です。
ブタクサの花粉が原因の花粉症の方が気をつけなければいけない食べ物は
スイカ、メロン、ズッキーニ、キュウリ、バナナ
です。
☆ヨモギの花粉が原因の花粉症で気をつけなければいけない食べ物
ブタクサと同じキク目キク科に属するヨモギは、北海道から沖縄まで日本全国に分布しています。ヨモギ花粉は7月下旬から11月上旬までが飛散時期です。
ヨモギの花粉が原因の花粉症の方が気をつけなければいけない食べ物は
ニンジン、セロリ、レタス、ジャガイモ、トマト、ピーナッツ、クリ、ピスタチオ、ヘーゼルナッツ、ヒマワリの種、キウイ
マスタード・コリアンダー・クミンなどの香辛料
です。
普段よく食べる果物や野菜がたくさん含まれていますよね。
花粉(アレルゲン)により、注意しなければならない食べ物が違うので、自分はどの花粉(アレルゲン)でアレルギー症状が出ているのかをきちんと知って対策を立てましょう。
まとめ
・花粉症の人は口腔アレルギー症候群が発症しやすい。
・花粉症と口腔アレルギー症候群の症状は似ているため、花粉症が悪化したように感じる。
・花粉の種類によって口腔アレルギー症候群を引き起こす食べ物が違うので、自分が何の花粉にアレルギーを起こすのかきちんと検査した方がよい。
・口腔アレルギー症候群が発症した場合、アレルギーの原因となる食べ物をなるべく食べないようにする。