こた堂ブログ

日本の敬称「さん」や「様」 実はとても使い勝手がいい

日常生活で頻繁に使う「敬称」

生活していく上で「敬称」を使うことは多い

世の中すべての人が、全員親しい友達!
なんて人は、この世に存在しませんよね。

家族や親しい相手以外の人に話しかける際に、必ず使うのが「敬称」ですよね。

名前を知っている人に「〇〇さん」、名前は知らない人でも、例えば「店員さん」とか、「駅員さん」のように敬称を使いますよね。
最近は、学校でも「○○さん」呼びが推奨されているようですし、学校の先生も「〇〇君」「○○ちゃん」ではなく、「○○さん」と呼ぶとか。

仕事をしている方は、相手先の担当者さんに書類を送る際には「○○様」や、「御担当者様」など、「様」を使うことも多いかと思います。

「敬称」があるのは日本だけではない

もちろん、このような敬称がある社会は日本だけではありません。
国によっていろいろ違いはありますが

英語圏の国だと

フランス語圏だと

中国語圏だと

などなど、色々な敬称が使われています。
特に、中国語は物凄くたくさん敬称があるようです。

男女別の敬称が使われる場合が多い

外国語の敬称を見てお気づきかと思いますが、男女別、かつ女性に対してのみ既婚未婚の敬称があることが多いようです。

これだけ細かく分類されている、ということは、間違えると失礼に当たるということなのでしょう。

「男女別」「既婚未婚別」の敬称で困ること

さて、ここで困るのは、毎日顔を合わせている同僚や取引先の人に使う場合ではなく、名前、しかも苗字しか知らない人に対して敬称を使う場合です。

お会いしたことはないけれど、手紙やメールを送らなければいけない相手、しかも苗字しかわからない場合、めちゃくちゃ困りますよね。

例えば、(アメリカで一番多い苗字)Smithとだけ記されたメールに返信をしなければいけない場合。
Smithは男性なのか?女性なのか?でまず迷い、女性の場合既婚なのか未婚なのかで迷うわけです。(Ms.を使えば問題解決ですが)

フルネームがわかっても「敬称」に悩むこともある

そして、この「どの敬称を使うか」をより複雑にしているのが、ジェンダー・アイデンティティ、いわゆる性認識です。

フルネームが男性であってもその方の性認識が女性の方の場合、敬称は女性を使わないと相手を傷つけてしまうこともあるのだそう。

アメリカ人の友人に聞いてみると、そういう場合は、相手の性認識の方の敬称を使うのがいいとのことでした。
しかし、こちらが相手の性認識を知らなかった場合、間違えていても特に問題がないそうなのですが、相手方が性認識をはっきり示している場合、別の敬称を使うのは失礼にあたるので、そこは気を付けた方がいいとのことでした。

上の画像の、MtFの意味は「Male to Female」ということです。つまり、性認識は女性というこです。ですので、敬称は女性に対するものを使うと言う訳です。

性認識が多様化しているアメリカでは、SNSの自己紹介欄や、メールなどの最後の署名に「名前」と、「呼ばれたい代名詞」が書かれていることが多くなっています。
例えば、John Smithという名前とともに「She/Her/Hers」のように書かれているのです。
そうすると、名前は男性ですが、性認識は女性ということがわかる、と言う訳です。

台湾の友人に聞いてみたところ、やはり敬称と性認識は合わせて使っているようです。
中国の友人に聞いてみたところ‥‥、中国本土でトランスジェンダーは大っぴらにできないそうで、生物学的な性別の敬称を使うようです。

こう考えると、性別年齢問わず使える日本の敬称「さん」や「様」はなんて使い勝手がいいんでしょうね!

日本の「さん」や「様」に当たる新しい英語の敬称ができた

特にLGBTQ+のムーブメントが活発なアメリカで、Gender neutral(性的中立)の敬称ができたそうです。

その敬称が

Mx

読み方はミクス(英単語Mixと似たような発音)なのだそう。
このMxは、男性女性どちらに付けてもOKな敬称なのですが、相手が望んだ場合のみ使うのがマナーなのだそうです。

Mxは、1970年代に生まれたそうですが、当時はあまり浸透せずLGBTQ+のムーブメントが活発になった今、徐々に浸透してきたそうです。

日本の「さん」や「様」に慣れていると、他言語の敬称はどうしても難しく、ややこしく感じてしまいますよね。
Mxのようなニュートラルな敬称が浸透するか、はたまた日本の「San」が世界基準になると、敬称で相手を傷つけることが少なくなるのではないかと思うのですが、みなさんはどう思いますか?

モバイルバージョンを終了