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スカーレット・ヨハンソンがディズニーを訴えた
主演女優が映画会社を訴える?どうして?
先日、アメリカの女優スカーレット・ヨハンソンさんが、ウォルト・ディズニー・カンパニーを訴えたというニュースがありました。
スカーレット・ヨハンソンさんといえば、マーベルの映画に「ブラック・ウィドウ」役として9作品も出演しています。
マーベル・スタジオの作品は、アメリカのみならず世界中で大人気で、その映画の配給元がウォルト・ディズニー・カンパニーなのです。
映画配給元を、映画の主演女優が訴えるとは、一体何があったのでしょう。
契約違反が原因?
ニュースによると、訴えた原因は「契約違反」とのこと。
スカーレット・ヨハンソンさんが契約した時点では、ヨハンソンさんが主演の映画「ブラック・ウィドウ」は、劇場のみで公開され、その興行成績によってヨハンソンさんの報酬が変わってくるというもの。
つまり、劇場で見る人が多ければ多いほど、ヨハンソンさんの報酬も上がる、という訳です。
しかし、ウォルト・ディズニー・カンパニーは突然「ブラック・ウィドウ」をストリーミングでも配信したのです。
ストリーミング配信とは
ストリーミング配信とは、ストリーミング技術を使った配信です。
では、そのストリーミング技術とは何かというと。
今まで、例えば映画をパソコンで観ようと思うと、映画全てをダウンロードして、ダウンロードが終了後初めて映画を見ることが出来る、という感じでした。
映画丸々一本、約2時間分の動画をダウンロードするのには、もちろん物凄く時間がかかりました。
しかし、ストリーミングはというと、ダウンロードしながら動画を見ることが出来るのです。
なので、ほとんど待ち時間なく動画を見ることが出来るという訳です。
ストリーミング配信は、配信されたものを保存できませんし、必ずインターネット環境がないと配信を見ることはできません。
ダウンロードだと、配信されたものが保存でき、ネット環境が無くてもオフラインでそれらを見ることが出来ます。
ストリーミング配信されたものは劇場興行収入には含まれない
ウォルト・ディズニー・カンパニーは、定額制動画配信サービスDisney+で、「ブラック・ウィドウ」を、劇場公開とほぼ同時に配信したのです。
今回は、定額制ではなく「ブラック・ウィドウ」を観るためには別料金を支払わなければいけなかったようですが。
それは何を意味するかというと、「劇場で観ずにストリーミングで観る人がいた」=「劇場の興行収入が減った」ということです。
そう、興行収入が減ったということは、ヨハンソンさんの報酬も少なくなったということなのです。
最初から劇場公開日と同日にストリーミング配信をすることを前提に契約していたのなら、こんな騒ぎにならなかったのでしょうが、ウォルト・ディズニー・カンパニーの最初の契約は「劇場のみで公開」だったため、契約違反だと訴えられたわけなのです。
日本の映画館にも多大な影響を与えていたストリーミング配信
ストリーミング配信のせいで大手シネコンがご立腹
実は、このウォルト・ディズニー・カンパニーのストリーミング配信は、日本の映画館にも多大な影響を与えていたのです。
事の発端は、映画「ムーラン」でした。
「ムーラン」は、ディズニーアニメの実写化映画で、本来なら2020年4月17日に、日本で公開予定でした。
が、その頃はちょうど新型コロナウイルスの感染者が増え始めていたので、2020年5月22日に公開日を延期しました。
しかし、1か月でパンデミックは収まるはずもなく、結局この日付でも公開できず再び延期。
2020年7月3日に、2020年9月4日に公開すると決定されたのです。
しかし、2020年7月27日、アメリカで新型コロナウイルスの感染者数が増え続けていることを理由に、アメリカ本国でも公開延期が決定され、日本での9月4日公開もキャンセルとなってしまいました。
ディズニー映画と言えば、ドル箱映画ですからね、日本の映画館も延期してでも上映ようと思っていたのでしょう。
しかし、劇場公開日であるはずだった9月4日、ウォルト・ディズニー・カンパニーは、「ムーラン」の劇場公開は中止し、ストリーミング配信を開始したのです。
そして、続いては「ソウルフル・ワールド」です。
こちらはアニメ映画で、本来なら2020年夏に公開されるはずが、やはりパンデミックの影響で、2020年12月11日に公開が延期されていました。
が、この映画も、ウォルト・ディズニー・カンパニーが、劇場公開を中止し、2020年12月25日から有料でストリーミング配信を行うと決定したのです。
これに怒ったのが、日本の大手シネコンです。
劇場での公開を信じて、予告を流し、パンフレットを準備し、グッズも作っていたにもかかわらず、劇場公開はしないと一方的に言われた形になったからです。
ディズニー映画の上映館が激減
上記の出来事は、日本の映画館に多大な影響を与えたため、 全国興行生活衛生同業組合連合会 がディズニーと話し合い、
「 これまで通りの形式で劇場公開をしない作品については上映しない 」
=劇場公開と同時にストリーミング配信をする映画は上映しない
と、宣言したのです。
その結果、TOHOシネマズ(全国67館)、MOVIX(全国21館)、ティ・ジョイ(全国18館+パートナー5館)、109シネマズ(全国19館)の大手シネコンでディズニー作品が上映されない事態となっています。
2021年3月5日公開された「ラーヤと龍の王国」。こちらもディズニーアニメの映画で、公開日から見ても春休みで話題になりそうな映画でしたが…。
2021年5月27日公開された「クルエラ」。101匹わんちゃんにでてくる悪役キャラの実写映画化。こちらも人気の悪役キャラの映画でしたが・・・。
2021年7月8日公開された「ブラック・ウィドウ」。スカーレット・ヨハンソンさんのニュースで名前は聞きましたが・・・。
2021年7月29日公開された「ジャングル・クルーズ」。ディズニーランドの人気アトラクションから誕生した映画ですが・・・。
私の周りだけかもしれませんが、あまり話題に出てきません。
どれも、子どもとみても楽しい映画や、人気シリーズの最新作だというのに、TVCMなども見かけなかったような?
まぁ、コロナ禍真っ最中なので、CMを控えているのかもしれませんが。
でも、「竜とそばかすの姫」や「クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園」や、「ハニーレモンソーダ」やらのCMはTVで観たしな・・・。
とにかく、ディズニー映画だから大手シネコンに行けば絶対上映している、という状態ではないようです。
ジャングル・クルーズ以降の映画で仲直りできる・・か?
公開日同日ストリーミング配信は一時的?
ウォルト・ディズニー・カンパニー曰く、劇場公開と同時にストリーミング配信をするのは、パンデミックだからで、ずっとこのスタイルを続けるわけではないとのこと。
「ジャングル・クルーズ」以降に公開されるディズニー映画は、劇場公開のみに戻すとのことですが‥‥。
どうなりますかね?
劇場公開のみとなった場合は、大手シネコンと仲直りできる・・・はず?