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絶滅危惧種サイガ(saiga antelope)大量死の原因はパスツエラ

saiga

サイガ(saiga antelope)大量死の犯人が細菌だと特定され、地球温暖化と関連か

2015年に、サイガ・アンテロープ(saiga antelope)の大量死のニュースが報道されました。
当時から、感染症が疑われていたのですが、死因が、細菌”Pasteurella multocida ”だったと特定されました。
気温と湿度の上昇が影響を与えたと言われています。


絶滅危惧種のサイガ・アンテロープ(saiga antelope)の三分の一にあたる85000頭以上が数日間で謎の大量死の報道

2015年5月22日のナショナルポストには、カザフスタンで絶滅危惧種のサイガ・アンテロープ(saiga antelope)が大量死していることが報じられています。
その数は、数日間で85000頭以上になり、中央アジアにおけるサイガ・アンテロープ生息数の3分の1が死んだことになります。
2015年6月初旬には、さらに死亡数は増加して127000頭にもなりましたが、幸い、突然大量死が終息したとの報道されました。

サイガ・アンテロープ(saiga antelope)

サイガ・アンテロープは、角と大きな鼻が特徴のウシ科の動物です。
中央アジアのステップという草原地帯や半砂漠などで群れをつくって生息しています。
特に、カザフスタンに全生息数の90%が生息しています。

大きさは、オスが40キロ強、メスが30キロ弱くらいが平均的なサイガです。

特徴である大きな鼻は、空気中の塵を取り除いたり、乾燥した冷たい空気を適度に暖め湿気を与えるのに有利だといわれています。
また、鼻の中には血管は、網の目のようで、空気を吸い込むと、血液が冷やされ、脳の温度上昇を抑えるというラジエーター的働きもあるといわれています。

毛皮や食用に利用されたり、角は薬になると言われていたため、乱獲され、生息数が激減し、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストで、最も絶滅の恐れが高い「CR(近絶滅種)」に指定されています。

ロンドンにあるRoyal Veterinary Collegeの発表

ロンドンにあるRoyal Veterinary Collegeは、2018年1月17日にホームページ上で、サイガの大量死の原因を特定したと発表しています。
サイガの死亡数は、最終的に、20万頭以上まで増加していました。
カザフスタンの生息地域内では80%も死亡しており、その数は、世界中の全生息数の60%にもなります。
たった3週間で、これだけの個体数が死んだのですが、この原因が細菌であることがわかりました。
パスツレラ-ムルトシダPasteurella multocidaという細菌が原因だったのです。

外的要因

当時、気温と湿度が上がっていたそうです。
そのため、バクテリアが増加し、敗血症を起こしたのが大量死の原因となりました。
以前にも、気温と湿度が上がったときには、個体数が減ったというリサーチもあります。

さいごに

サイガの大量死の原因は、パスツエラ症だったわけですが、パスツエラ症は、サイガだけの話ではありません。
これは、人獣共通感染症であり、犬や猫が普通に持っている細菌で、人にも感染します。
注意が必要です。

人にも感染するパスツレラ-ムルトシダ(Pasteurella multocida)とは

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