こた堂ブログ

東京五輪開会式で話題のピクトグラム 実は日本発祥ってしってましたか?

2021年東京オリンピックが開会しました

2021年7月23日 東京オリンピックの開会式が行われる

1年の延期、そして、それでも収まらないコロナ禍の中、ついに?やっと?東京オリンピックが開会しました。

開会までに、まぁ色々なごたごたがありましたが、なんとか開会できて、熱い戦いが繰り広げられていますね。

さて、今回のオリンピックの開会式で話題になったものの一つに、「動くピクトグラム」がありましたよね。
50の競技のピクトグラムを、実際の人で再現したあのパフォーマンスはとても面白く、他国でも評価が高かったそうです。
NHKのYouTubeでも、2021年7月26日現在、動くピクトグラムの再生回数は700万回を超えており、人気の動画となっています。

ピクトグラムは日本発祥

ピクトグラムとは?

さて、このピクトグラムですが、一体どういうモノなのでしょう?

ピクトグラム(またはピクトグラフ)は、いわゆる「絵文字」のことで、オリンピック競技だけでなく、すでに街中のあらゆるところで使われています。
非常口のマークや、車いすマーク、トイレのマークなどもれっきとした「ピクトグラム」なんですよ。

これらピクトグラムの様に、世界共通のものもあれば、各国で違うけれどピクトグラムと言えるものもあります。

こちらは、補助犬が建物内に入っていいというステッカーです。ステッカー下部の日本語が読めなくても、盲導犬を知っていれば何となく想像が付きますよね。

そして、今の時代のピクトグラムと言えばこれでしょうか?

新型コロナウイルスで、生活の基本となりつつある手の消毒と、マスク、ソーシャルディスタンス、そして検温。
こちらも、今の状況を鑑みれば、日本語の説明が読めなくても「あ、消毒のことだな」とか、「マスクのことを指示してるんだろうな」とわかりますよね。

ピクトグラムの始まりは1964年の東京オリンピック

ピクトグラムの始まりは、奇しくも1964年の東京オリンピックだったということをご存知ですか?

当時の日本は、今ほど外国語教育が進んでおらず、日本人と海外から来るアスリートとの間のコミュニケーションが十分に取れる訳ではありませんでした。
それに、1964年の東京オリンピックは、アジア初、しかも非アルファベット圏初の開催だったのです。
中国語圏の海外選手なら、少しは何とかなりそうですが、アルファベット圏の海外選手にとったら、日本語なんて宇宙文字みたいなものだったでしょう!

そこで、言葉や文章ではなく、パッと見てその内容を伝達できるものとして「ピクトグラム」が出来たのです。
当時のピクトグラムの開発に携わったのが、美術評論家でフランス文学者でもある、勝見勝氏を中心としたデザイナー11人でした。
オリンピック競技20種のピクトグラムだけでなく、設備や施設39種のピクトグラムを、3か月で考えだし作ったのだそうです!
そんな短期間で考え出したってすごいですよね。

この時に開発されたピクトグラムは、1964年の東京オリンピックが終わった後も、オリンピックや万博といった国際的なイベントのモデルケースとなったそうです。

オリンピック競技のピクトグラムは大会によって個性がある

1964年の東京オリンピック以降、開催されてきたオリンピックすべてにピクトグラムが採用されています。

各大会のピクトグラムは、それぞれ特徴があって面白いんですよ。

東京オリンピック(1964年・2021年)

まず、1964年の東京オリンピックと、2021年の東京オリンピックのピクトグラムを比べてみましょう。

1964年のピクトグラムは、白黒でした。

2021年のピクトグラムは、エンブレムと合わせた紺と白。
動くピクトグラムもこれでしたよね。

メキシコオリンピック(1968年)

1964年の東京オリンピックの次に開かれたメキシコオリンピックのピクトグラムです。

カラフルですね。

バルセロナオリンピック(1992年)

こちらはバルセロナオリンピックのピクトグラムです。

シンプル~。

シドニーオリンピック(2000年)

そして、シドニーオリンピックのピクトグラムはこちら。

オーストラリアだけあって、ブーメランを思わせる足や腕になってますよね。

北京オリンピック(2008年)

北京オリンピックは、こちら。

印鑑のようですよね。篆書体(てんしょたい)をイメージして作られたそうです。

これからのオリンピックの楽しみの一つに

オリンピックは、世界最高峰のアスリートの最高の演技を観ることが出来る大会ですが、競技以外にもこのようなピクトグラムのデザインを観察するのも楽しみの一つになるのではないでしょうか?

同じ競技のピクトグラムでも、大会の開催国によって表現方法が違っていて、どこにどんな風にその国の特色を出しているのかを比べてみるのも面白いですよね。

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