こた堂ブログ

カフェインが含まれる玉露が目覚ましの一杯でない3つの理由

目覚めの一杯や眠気覚ましといえば、コーヒーですよね。
でも、お茶にもカフェインが含まれているのです。特に玉露なんて、コーヒーより多いくらいです。
それならなぜ、玉露が朝の一杯にならないのでしょう。

なぜカフェインが大量に含まれている玉露は目覚めの一杯にならないのか?

コーヒーとお茶類のカフェイン含有量

まずは、コーヒーやお茶類にどれくらいのカフェインが含まれているか調べてみましょう。
食品研究機関のデータをひろってみたのですが、濃く入れるか薄く入れるかとか、コーヒー豆や茶葉の種類によって、カフェイン量は変わってきますので、あくまで参考の値になります。

ドリップコーヒー:60㎎
エスプレッソ:200㎎
ココア:20㎎~30㎎
ウーロン茶:20㎎
煎茶:10㎎~20㎎
ほうじ茶:20㎎
麦茶:0㎎
抹茶:30㎎
紅茶:30㎎
玉露:160㎎
ルイボスティー:0㎎

コーラ:10㎎
リポビタンD:50㎎/100ml
メガシャキ:100㎎/100ml
レッドブル:80㎎/250ml
モンスターエナジーM3:140㎎/150ml

参考までに、ほかのカフェインが入っているドリンクのカフェイン量も書いておきました。他にも風邪薬や頭痛薬に含まれていることがあります。

カフェインには覚醒作用がある

カフェインには、眠気覚ましなどの覚醒効果が知られています。
その作用は、カフェインが、アデノシンと競合して、アデノシン受容体(アデノシンレセプター)に結合することで起こります。
アデノシンがこの受容体と結合することにより、ドーパミン受容体が不活化されドーパミンとドーパミン受容体と結合が邪魔されます。
ドーパミンの刺激によって人間は覚醒効果が得られていますので、アデノシンがアデノシン受容体に結合するとドーパミンの刺激が減少して眠くなるのです。
逆に、カフェインが存在すると、このアデノシンの受容体にカフェインが先に結合して邪魔をするので、眠くなりにくくなります。
カフェインは、ドーパミンに影響を与えません。

カフェインの効果は飲んでから20分から

カフェインを摂取してから最大血中濃度に達するのは、30分くらいたった後になり、カフェインの覚醒効果は20分くらいからででてきます。(効果が1時間後とするデータありました。これは最大になるのがという意味かもしれません。)
体内のカフェインの半減期は、3~5時間程度と言われています。
ただし、いずれの数字も、個人差、妊娠、アルコールなど他の摂取などに影響して、あくまで参考の値になります。

カフェインの中毒量、大量では不整脈で死亡も

カフェインは大量に摂取すると中毒をおこします。健康な成人では、1日に300mgから400㎎未満にしておいた方が良いです。
大量に摂取した場合、頭痛、めまい、吐き気などがおこり、最悪は不整脈などで死亡する恐れがあります。
実際に、わかっているだけでも多くの死亡例が国内外で報告されています。

なぜ玉露は、目覚めの一杯にならないのか?その3つの理由

さて、お待たせしました本題の「玉露が目覚ましの一杯にならない3つの理由」です。

さきほど、玉露100mlにはカフェインが160㎎も含まれていることを勉強しました。ドリップコーヒーが100ml当たり60㎎程度ですので、玉露にはコーヒーの倍以上のカフェインが含まれているということになります。
カフェインだけをみれば、玉露でめちゃめちゃ目が覚めそうです。でも、「眠気に玉露」とか、「玉露で目覚めの一杯」とかないですよね。
玉露じゃない普通の緑茶でも、100ml当たり約20㎎のカフェインが含まれていますが、夜にお茶飲んで興奮して眠れなかったこともないですし、夜の抹茶アイスが危険とかきいたことないですよね。
どうして、玉露が目覚ましの一杯にならないのでしょうか?

お茶に含まれるタンニンがカフェインと強く結合して吸収阻害

お茶がコーヒーほど効果が感じられない第一の理由は、お茶に含まれる茶カテキンなどのタンニンにあります。タンニンはカフェインと強く結合する性質があって、カフェインが人の体に取り込まれる前に結合してしまい、カフェインが体内に吸収されにくくなります。だから、コーヒーと同じくらいのカフェインをお茶で飲んでも覚醒作用はでにくくなります。
これが、一番目のお茶がコーヒーの代わりにならない理由でしょう。
ただ、タンニンが含まれているからといって、完全にカフェインの効果がなくなる訳ではないので、お茶でも大量に飲めばカフェイン中毒がおこります。新茶の発表試飲即売会などで、美味しいからと大量にお茶を飲みまくるなどすれば、動悸がでたり、夜寝られないなどがあるかもしれません。
ちなみに、タンニンはポリフェノールの一種になります。コーヒーにもタンニンは含まれていますが、コーヒーのタンニンは、お茶や紅茶などに比べるとその活性は低いようです。
逆に考えると、精製されたカフェインを直接飲むような、眠気防止ドリンクや頭痛薬などは、効き目がコーヒーより良いような気がしますが、「お茶とコーヒーと精製カフェインの覚醒効果の違い」については調べられませんでした。
すでに存在するのかもしれませんが、大学の食品関係の卒業論文にどうでしょうか。

また、乳製品のタンパク質もカテキンと結合しやすく、その効果をなくすことが知られています。紅茶にはミルクを入れますが、この場合のカフェインの効果の変化については調べられませんでした。ただ、ミルクティを飲んだからといって寝られなくなることはないので、おそらくミルクはタンニン(カテキン)とカフェインの結合を変化させないと思われます。

コーヒーのほうが香りと苦みのパンチがある

朝のぼーっとした頭には、強い刺激が必要ですよね。コーヒーの香りは強く、嗅覚から頭に働きかけるので、朝のコーヒーになるのかなと思います。
ただ、コーヒーの香りでリラックスの脳波であるα波などが増大した研究結果があり、覚醒と関係するかは微妙かもしれません。ただ、コーヒーの香りの中で朝のひと時をゆったりリラックスしながら楽しむというのもありですね。
また、コーヒーには苦みがあり、味覚からも脳に刺激を与えるという意味で、朝のコーヒーになるのかもしれませんね。
じゃあ、私的には朝から激辛カレーでいいんじゃんと思いましたが、そういえば、ホテルでは朝カレーが流行っていますよね。これも同じ理由かもしれません。

玉露は朝から面倒だし高価

玉露はカフェインがたくさん含まれていますが、朝から作るのは面倒です。それに高価で気軽に買えません。というのが、玉露が朝の一杯にならない第三の理由です。
玉露とはお茶の一種で、煎茶とはちょっと異なりますが簡単にはその高級品と考えてよいです。玉露は甘みが特徴であり、これを最大限に出すには温度管理が必要で、一般的には60℃程度の低温で浸出することが重要だそうです。ようは、温度管理が必要で、つくるのが面倒ってことになります。

玉露の茶葉の栽培方法は、収穫の直前約二週間日光をさえぎります。これにより、うまみの成分とされるテアニンなどが増加し、逆に渋みの原因とされるタンニンが減少します。テアニンは日光でタンニンに変化します。タンニンがカフェインと結合すると最初に書きましたので、タンニンが減ればカフェインの効果が出やすくなるのではと思うかもしれませんが、テアニンもカフェインの効果を減らすようです。

朝の玉露もありかも

ホテルでは朝食でコーヒーか紅茶を選べます。これは、世界中どこのホテルでもそうです。つまり、世界中で「朝は紅茶」派のひとも多いってこと、。目覚めの一杯が、紅茶でも構わないということになりそうです。
また、世界中でいろんなお茶が愛好され嗜好品になっていることを考えると、気分転換やが爽快感など、お茶の効果による利点があったと考えられます。つまり、地理的歴史的に考えると、お茶が朝の一杯になっても良いのかな。ということで、朝の玉露ってのもありかもしれませんね。

まとめ:

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