こた堂ブログ

「結婚するまでは親と同居」は多くなっていくのか?

社会人独身で親と同居は、「ダメ」なのか?

「アメリカの若者の半数以上が親と同居」という記事を見つけた

ネットの記事で、「アメリカの若者の半数以上が親と同居」という記事を見つけました。
記事を読んでみると、アメリカの若者(18歳~29歳)が親と同居する割合が、2020年7月には52%で過去最高になったというものでした。

私の年代の「アメリカの若者」のイメージは、”高校を卒業したら親元を離れるのが当たり前で、親も子供が家を出ていくのが当たり前と考えている”と、いうものでしたが、アメリカに住む友人に聞いてみると、そのイメージが変わったのが、例の同時多発テロ、いわゆる9.11以降なんだそうです。
9.11以降「家族の絆」について考えるようになり、親世代が過保護になる傾向があったそうです。
実際、「ヘリコプターピュアレント」という言葉も作られ、ヘリコプターがホバリングするように、子どもをずっと見守る親が増えたのだそう。

そして、2020年から始まったコロナ禍。
それによる失業や、大学閉鎖などによって親元で暮らすようになった若者が激増したようです。

職もなくローンの返済があるなら親と同居はメリットしかない

アメリカで若者が大学に行く場合、親が学費を全額負担してくれるということは、本当にまれです。
多くの学生は、奨学金を申し込んだり、「Student Loan(学生ローン)」を組んで学費を賄います。
その、「学生ローン」の返済が馬鹿にならないほど若者の負担になっています。

アメリカの大学の学費は高いので、借入額も高くなってしまうことが理由の一つです。
アメリカの大学の学費は、もちろん大学や学部によって違いますが、平均すると

州立大学(州内出身者):22,690ドル
州立大学(州外出身者):39,510ドル
私立大学:51,690ドル
※寮費・食費を含んだ額

となっています。
驚くべきは、これは1年間の学費と言うことです。
ですので、4年で卒業したとしても、この4倍の学費が必要となってきます。
1ドルを115円で計算したとしても、一番安い州立大学(州内出身者)の4年間の学費は1千万円を超えるのです。
その高額な学費を、卒業後返済していかないといけないのですが、コロナにより就職先が見つからず、アルバイトでお金を稼ぐしかないとなると、部屋を借りて一人暮らしをするより、親元に戻り同居するのは当然の流れになるでしょう。

日本でも「親と同居」傾向が高くなっている?

日本でも、コロナ禍が始まってからは「親と同居」する若者が増えている傾向があるようです。

学生の場合でも、地元を離れ一人暮らしをするとなると、親の負担もかなりかかってきます。
アメリカの大学と比べると、学費はまだましですが、日本の学生の場合は学費のほかに「仕送り」費用がかかってきます。

ちなみに、日本の大学の平均の学費は

国立大学:817,800円
公立大学:932,251円
私立文系大学:1,169,622円
私立理系大学:1,544,963円
私立医科歯科系大学:4,822,394円
(※平成30年度初年度の学費 入学金を含む)

となっています。

そして、大学生への仕送り額の平均は7万円~9万円といわれています。
ですので、国立大学へ親元を離れて4年間通った場合、
学費:2,425,200円
仕送り(月8万円で計算):3,840,000円
合計:6,265,200円
かかることになります。
親も大変ですが、学生自身も仕送りだけでは十分な生活ができないのでアルバイトをしたり、奨学金を借りたりすることも多いです。
4年間で約400万円ちかくの「仕送り」負担がなければ、学費を奨学金で賄う必要もなくなるという家庭も多いのではないでしょうか?
そうなると、大学生になっても家から通ってくれた方が親にとっても学生本人にとってもゆとりのある暮らしになりメリットが大きいですよね。

では、社会人だとどうでしょう?
まずはお給料を見てみましょう。
厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査の概況』(2021年3月31日公表)によると、大卒の初任給の平均は226,000円(通勤費込み)となっています。
そして、東京で1ルームの部屋を借りた場合、家賃相場は約7万円となります。
一人暮らしをした場合、家賃でお給料の三分の一がなくなってしまうということですね。
もちろん、一人暮らしに係るお金は家賃だけではありませんから、食費・光熱費・交際費、もし奨学金を借りていた場合、その返済もある…と考えると、独身一人暮らしの間にしっかり貯金をするのは、なかなか難しそうです。
独身生活を満喫しているときは、貯金額は気にしないかもしれませんが、いざ結婚となった時に「貯金0」というのは、色々大変です。
そうすると、やはり社会人になっても結婚までは親と同居という選択肢が出てくるのも納得です。

もちろん、一人暮らしをするメリットもたくさんあると思います。
お金のやりくりの仕方が身につくとか、自立心が育つとか、家事の大変さを実感するとか。
でも、実体験で言わせてもらうと一人暮らしをしたからと言って、家事ができるようになるとは限りません(笑)。
食事は外食・スーパーの総菜で済ませることがほとんどでしたし、掃除洗濯も…まぁ、気が向いたときに自分のやり方でやる感じでしたしね。
料理や掃除洗濯の仕方は、親と同居して親にきっちり仕込まれる方がいいのかもしれませんね(笑)。

親と同居せざる負えないのかも

色々と調べてみると、若者は「一人暮らししたい」けれど、諸々の経済事情によって「親と同居せざる負えない」状況になっているのかも、と思いましたね。
なかなかに厳しい時代です…。
我が子が成長した時には、どうなっているんでしょうかね…と考えてしまいました。

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