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花粉症の予防薬治療薬は4種類以上、早めの対策が症状を緩和する

花粉症の予防薬治療薬

花粉症の予防薬治療薬

早くも花粉が飛びはじめましたね。
今年は寒いですが、花粉が飛ぶのが早いようです。
本格的なシーズンが到来する前に、薬を使うとそのシーズンの症状が楽になるというデータがあります。
内服薬も点眼薬も、基本は、4種類の予防薬・治療薬の組み合わせです。
飛び始めてから医者に行くと混んでいて時間のロスになりますし、症状も大変になりますので、早めに行動しましょう。

国民病ともいわれる花粉症シーズン到来。初期治療が大切。予防薬と治療薬の選択は?

4人に1人は花粉症、もはや国民病。

日本人の約25%は、花粉症をもっていると言われています。
花粉症は、文字通り、花粉によっておこる症状です。
原因となる花粉で有名なのは、スギ、ヒノキ、ブタクサですが、他にもイネ科植物など、あらゆる花粉が原因となり得ます。
花粉症は、アレルギー反応になります。
花粉が飛ぶのは1年のうちの一時期だけですので、季節性アレルギーと言われています。
それに対して、家の中にあるダニやハウスダストなど、年中あるのは、通年性アレルギーと言われています。

英語では、Hay feverと辞書にあるけど、単純にAllergyで良いかも

花粉症を英語で訳すと「Hay fever」となっている辞書が多いです。
逆に、直訳すると、「枯草熱」となり、花粉症と違うようです。
歴史的に、牧草の枯草と接触したため発病したと考えられていたために名付けられたようです。
ただ、実際には、花粉症は一般的でないため、直訳して「allergy to pollen」の方が通じやすいような気がします。

花粉症の症状

花粉で引き起こされるアレルギー反応を花粉症と呼んでいますが、基本的には、アレルギー性鼻炎アレルギー性結膜炎の症状になります。
風邪やウイルス性結膜炎にも似ていますので、花粉症に特有の症状を知っておいて、おかしいなと思ったら、早めに医師に診てもらいましょう。

くしゃみ

花粉症では連続で出ることが多いと言われています。
風邪では、そこまで連続でないことが多いです。

鼻水・鼻づまり

透明なさらさらしている、文字通り、鼻水が花粉症ではでます。
風邪では、粘性のある黄色っぽいのが多いと言われています。

目のかゆみ、目やに

花粉症では、目がとてもかゆく、「取り出して洗いたい」という人もいるくらいです。
涙やさらっとした透明な目やにがでることがあります。
風邪でも、ウイルスによっては、充血や目やにがでますが、かゆみは少ないことが多いです。

喉や耳のかゆみ

人によっては、花粉症で、のどや耳の穴のかゆみを訴える人もいます。
風邪では、かゆみより、のどの痛みや中耳炎を併発したことによる耳の痛みがある場合があります。

花粉症の発症メカニズム

1.花粉が目や鼻の粘膜につく
2.リンパ球が花粉に反応し、IgE抗体をつくる
3.IgE抗体が肥満細胞の表面に付着する
4.花粉が肥満細胞の表面にあるIgE抗体と結合する
5.肥満細胞からヒスタミンなどの化学物質が分泌される
6.その化学物質が、かゆみなどの症状を起こす
まとめると、花粉が入ってくると細胞が覚えこんで、次に花粉が来た時に、花粉を体外に出すような反応(くしゃみ・鼻水・涙など)が起こってしまうのです。
通常なら、人間の防御反応ですが、過剰に起こってしまうのがアレルギーなのです。


花粉症が増加している原因

花粉症の人が増えたような気がしませんか?

排気ガス・大気汚染がアジュバント作用を引き起こす

田舎に住んでいるとスギに囲まれて生活していますが、花粉症を発症する人は多くないのに対して、スギがない都会の方が発症する人が多い気がします。
花粉症の原因の一つが、排気ガスや大気汚染といわれています。
花粉だけでは最初の反応が起きにくいのですが、花粉が他の物質と結合すると分子量が大きくなり、花粉だけよりも感作しやすくなってしまうのです。
このような物質をアジュバント(抗原性補強剤)といわれており、ワクチンなどに使われています。

土がない舗装面が多いので、花粉が舞う

都会では土が少ないので、地面に落ちた花粉が、再び舞い散ることも原因として考えられます。

スギ花粉の増加

大量植林されたスギが開花適齢期を迎えていて、花粉の量が増加しているようです。
また、地球温暖化も花粉飛散量に関係するようです。

花粉症の予防薬や治療薬は4種類以上

内服は、多くは、ケミカルメディエーター遊離抑制薬、抗ヒスタミン薬(H1ブロッカー)に加えて、症状がひどい場合は、ステロイドになります。
トロンボキサンA2阻害薬、ロイコトリエンLT受容体拮抗薬、Th2サイトカイン阻害薬などもあります。
そして、漢方を処方する場合もあります。
点眼薬は、ケミカルメディエーター遊離抑制点眼薬抗ヒスタミン点眼薬に加えて、症状がひどい場合は、ステロイド点眼薬になります。
春季カタルといったひどいアレルギー症状の場合には、免疫抑制剤のタリムス点眼やパピロックミニ点眼などが処方されます。
強いて言えば、これに加えて、洗い流す用の点眼が出されることがあります。
点鼻薬も、ほぼ点眼と同様のラインナップですが、ステロイドの点鼻も予防効果があることがわかってきており、初期から使う場合もあります。
内服でも効果があるので、耳鼻科受診してない人や点鼻薬が嫌いな人は、使ってない人もいます。
ただ、局所に直接作用するので、比較的即効性があり、全身への副作用が少ないといった特徴があります。

ケミカルメディエーター遊離抑制薬

簡単にいうと、花粉が入ってきたときに、ヒスタミンなどの化学物質が細胞から出にくくする薬。
既にあるヒスタミンには効かないので、即効性は薄いと言われている。
ただし、一週間使ったら、H1ブロッカーとの差はなかったという報告もある。

抗ヒスタミン薬(ヒスタミンH1受容体拮抗薬、H1ブロッカー)

ヒスタミンに対する反応を抑える薬。比較的即効性がある。
第一世代は、眠くなるなどの症状があったが、現在では、かなり改善してきている。

花粉症の予防薬は、花粉が飛び始める前から服用・点眼する

一般的に、花粉症治療に用いられている抗ヒスタミン薬などのアレルギー薬を花粉が飛散する2週間前から服用すると、そのシーズンの症状が軽く済むとのデータがあります。
症状が出てから薬を飲み始めるのではなく、早めに服用しましょう。
点眼でも、同様のデータがでていますので、点眼も同時に開始すると良いと思います。
それに、花粉が飛び始めると内科も眼科も耳鼻科も混むので、早めに薬を手に入れるのが良いと思います。

日常の花粉症対策

防止と眼鏡

つばの帽子をかぶったり、普通の眼鏡をかけるだけでも、花粉がカットできます。
また、花粉が髪の毛に付着したりするのも防げます。
花粉症対策眼鏡なら、隙間がなければ9割以上もの花粉をカットできるとのデータもあります。
洗濯ものは室内に干して、花粉がつかないようにします。
服は、ダウンコートのような、つるつるしたビニール製のを使うことで、花粉を室内に持ち込みにくくなります。
空気清浄機を用い、室内もこまめに掃除しましょう。
自分で掃除をすると花粉が飛び散るので、こういう時にロボット掃除機が役に立ちます。

花粉症は早めの対策が一番

花粉が飛び始めるの症状が出る前に、医師の診察を受け、適切な薬をもらいましょう。
早めの対策が、そのシーズンの症状を軽くします。

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