犬・ペット・動物

ウクライナから避難してきた犬 検疫が特例扱いに

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る
       

ウクライナから避難してきた人とともに日本に来た犬5匹

ペットも一緒に避難できたのは嬉しいけれど

ウクライナの情勢は、ニュースで報道されているように平和とは程遠い状態です。
ウクライナから、他国に避難する人も多くいます。
日本政府も、ウクライナからの避難民を受け入れています。
その受け入れたウクライナの避難民の方と一緒に、ペットも避難をして日本に来たとのこと。
ペットを飼っている身からすると、一緒に避難してこれてよかった!と嬉しくなりますが、そう喜んでばかりいられないこともあるようで。

5匹の犬は検疫所で係留中

3月26日から4月9日の間に、ウクライナから入国した5匹の犬は、今動物検疫所で係留中となっています。
動物を他国から日本に連れてくる場合は、本来なら事前にいろんな準備が必要となってきます。
指定地域以外で飼われていた犬の場合は

  • マイクロチップが入っていること 
  • 狂犬病予防注射を2回打っていること 
  • 狂犬病の抗体検査から180日以上待機させること

が必要条件となっています。

日本へ仕事で引っ越しが決まったなど、平時の入国であれば、本国にいるときに日本への入国日に合わせて狂犬病の予防注射をしたりできますが、今回は戦火を逃れて避難してきたわけで、飼い主さんでさえ必要最低限のものしか準備できなかったことは想像に難くありません。

今回入国した5匹の犬は、先ほどの必要条件が確認できず現在動物検疫所で係留中、と言う訳なのです。

動物検疫所待機費用は飼い主が支払い

今回、日本に来た5匹の犬は、最高で180日間動物検疫所で過ごさなければいけない可能性があります。
その間の経費(餌代や管理費用)は、飼い主の負担となっています。

が、ウクライナから命からがら避難してきた人々は、金銭的余裕があるとは言い難いわけです。
ネット情報によると、その経費が約55万円になるとか…。

そこで、動物検疫所が出した答えがまさかのものでした。

特例措置の適用

なんと、特例措置で動物検疫所で係留する期間を短くするというものでした。
今回は、”災害救助犬等の規定”と同じになるとのことです。

具体的な説明では

  1. 動物検疫所内で検疫をする 
  2. マイクロチップによる個体識別と狂犬病予防接種2回打つ(ここまでは通常の動物の入国と同じ) 
  3. 抗体価(0.5IU/ml以上)の確認をする 
  4. 動物検疫所が「持ち出し許可書」と「指示書」発行する 
  5. ウクライナから避難してきた飼い主と同じところに住むことができる

となるようです。つまり、抗体検査実施から180日の待機期間がすっ飛ばされると言う訳です。

飼い主の元では、

  • 1日2回の健康観察 
  • 動物検疫所へ週一で報告 
  • 他の動物と接触させないよう適切な管理 
  • 咬傷の防止

などを、動物検疫所で過ごした日数を含め180日実施するようです。

狂犬病 そんな軽く考えていいの?

災害救助犬は、世界中に出動する機会があるため、きちんと管理されています。
マイクロチップはもちろん、狂犬病の予防注射もきちんと受けているでしょうし、日々のお世話もきちんとされているでしょう。
だからこその、特例なんだと思います。

日本は、狂犬病清浄国です。
先人の努力によって、狂犬病を失くしてきました。
そして、今まで動物検疫所の水際対策で狂犬病が日本に持ち込まれることなく来ました。

今回のウクライナから入国した犬が、狂犬病を持っている可能性は低いとは思います。
が、万が一狂犬病を持っていたら‥‥。
実際、ウクライナでは2009年に1人、2011年に6人、2014年に4人、狂犬病発症例があるのです。

犬が狂犬病にすでにかかっているかどうか、発症前にわかる検査はありませんし、今回実施される抗体価のチェックも「予防接種で上がっているのか」「狂犬病にかかっていて上がっているのか」判別できないとのことです。

そして、狂犬病が恐れられる一番の原因は、発症したら致死率100%ということです。
これは、人でも犬でも猫でも同じです。

万が一、狂犬病が発症した犬が見つかった場合、周りの犬も感染拡大予防のために殺処分の対象にされてしまうのです。

同じ島国のインドネシアの話ですが、フローレス島というところに、海外の船でやってきた犬3匹が狂犬病を持っており、その犬が島に来て3年後には島全体に狂犬病が蔓延してしまったそうです。
発症した人は81人(もちろん、全員死亡)、感染拡大を防ぐために50万匹の犬が殺処分されたという悲劇的な記録があります。

今回ウクライナから避難してきた飼い主さんも、ペットを愛する人であることは間違いありません。
ペットに会えない時間が長いのは寂しいこともわかりますが、それであれば、万が一日本に狂犬病を持ち込んで、日本の犬や猫が狂犬病にかかるリスクを上げてしまうことがあるのを理解してほしいと心から思います。

動物検疫所で面会は自由にできる

避難された飼い主さんの居住地が、動物検疫所に近いかどうかはわかりませんが、係留中のペットとの面会は自由にできるそうです。
ペットのお世話も、自分でできるそうです。(そうすると経費が安くなる気がしますね。)
気軽に会いに行ける距離であれば、この方法が一番いいのでは、と思ってしまいますね。

費用の寄付もできる

動物検疫所に係留中にかかる費用は、ウクライナ大使館に「検疫所のワンちゃんのために使ってほしい」旨を書いて募金をすれば、きちんとそこに使っていただけるようです。

日本が狂犬病清浄国であり続けられますように

ウクライナからの避難民とペットを受け入れたら、日本が狂犬病清浄国ではなくなった、となってしまってはウクライナの人にも日本人にもいいことではありません。

多くの獣医さんや、お医者さんが特例措置の適用はどうなのか?と疑問や不安のツイートをしています。
避難してきた方の心のケアも大切ですが、動物検疫も大切、難しい問題ですね。

   
スポンサードリンク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る