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それって三重弁?だったのか・・・
他地域に住まないと気付かない方言
小学生だった頃、教室の後ろに「朝の会」や「帰りの会」の進行を紙に書いて貼ってありませんでしたか?
今の時代、朝の会や帰りの会があるのかどうかは不明ですが。
その進行を書いた紙、掃除バージョンもありませんでしたか?
- 机をつる
- ほうきで床を掃く
- 雑巾で床を拭く
- 机を元に戻す
みたいな感じで。
多分、三重県民ならこれに何の違和感もないでしょう。
しかし、他県の人がこれを見ると、一様に「は?」と驚き質問してきます。
「机をつるってなに?」と。
「つる」って全国で通じないことを知った大学時代
私は県外の大学に進学しました。
そして、同じように全国から地元を離れてその大学に来ている友人たちと出会ったのです。
大学に進学するまで、私はずっと三重県に住んでいました。なので、しゃべる言葉はバリバリの三重県弁です。
もちろん、日本には沢山の方言があることも知っていましたし、ニュースキャスターが話す日本語とは、アクセントも表現も違う言葉をしゃべっているという自覚はありました。
なので、まだ気心の知れない人には「ニュースキャスター」が話している日本語を話そうと努力していたことも覚えています。
しかし、何のきっかけだったかは忘れましたが、「机をつる」と言う表現をしたら、周りの人が一斉に「え?どいう事?」と反応したのです。
そこから「じゃあ、”机をつる”以外にはどう言うのか」議論になりました。
一番みんなに通じたのは「机を運ぶ」と、「机を動かす」でした。
確かに・・・。言われてみると、それで通じる訳なんですが・・・でも、染みついた「机をつる」の表現を「机を運ぶ」に変えられるかというと、やっぱり自分的には「机をつる」が一番しっくりくるんですよね。
そんな自分も驚いたのは、確か広島出身の人が言っていた
「机をかく」
でしたね。
「机を運ぶ」=「机をつる」=「机をかく」
本当に日本の方言ってバリエーションが豊かだなと思った記憶があります。
ちなみに、「机をかく」と聞いた時、「掻く」を思い浮かべてしまい、「ははは、机のどこを掻くの」と言ったら、「机をどうやって釣るの?釣り竿?」と返されました。
なるほど、「机をつる」と聞くと、「机を釣り竿で釣りあげる」もしくは「机を天井から吊るす」イメージを持つ人が多いことがわかりました。
「机をつる」が使われている地域
調べてみると、愛知県では「机をつる」と言う表現が使われているようです。
岐阜県でも使われているようで、岐阜県方言辞典に載っているようです。
と、考えると「机をつる」という表現は、東海三県では使われている、もしくは意味が通じるみたいですね。
しかし、三重県に隣接している奈良県・和歌山県・滋賀県などでは使われていなさそうです。
ちなみに「つんどる」も通じなかった(笑)
通じなくてびっくりした三重県弁として、びっくりしたもう一つは「つんどる」でしたね。
ある日、通学する電車がいつもより人が多かったことがあり、そのことを友人に
「今日の電車はすごくつんでてさ。何かイベントでもあるのかな?」
(”つんどってさ”と言わなかったのは、方言に聞こえそうだったから(笑)。これでも方言を話さないように頑張っていたのです。)
と話したら
「?????? 電車が何を積んでいたの?」
と不思議そうに言われました。
三重県民の皆様は「つんどる」=「混雑している」と自動的に理解してくれるでしょう。
「電車がつんどる」=「電車が満員だ」、「車がつんどる」=「車が渋滞している」、これらは本当に普通に使っていて、通じないなんて思いもよらなかったので、「つんどる」=「積んでる」と伝わったことに驚愕しました(笑)。
「つんどる」が使われる地域
こちらも調べてみると、和歌山県、大阪府(全域ではなさそう)、愛知県で使われていることがわかりました。
今回は岐阜県は入っていないようで、「つんどる」は、東海三県の方言と言うより、関西圏の方言と言った感じでしょうか。
方言は調べてみるとおもしろい
ナチュラルに三重弁を使いこなす地元民ですが、普段使っている言葉のどれが方言に当たるのかを調べていくと面白そうですね。
同じ三重県でも、例えば「ものもらい」だと、松阪市近辺は「めぼ」ですが、伊賀地方だと「めばちこ」と地域によって大きな差があったりもしますしね。
他県との比較はもっと差が出て面白いでしょうね。
大阪弁と比べると、マイナーな三重弁ですが、しっかり話してしっかり受け継いでいきたいものです(笑)。