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母乳のデメリット|完全母乳の育児で脳障害!白血病の危険性!

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子どもを産んだら「母乳で育てましょう」と良く言われますよね。
「母乳神話」という言葉があるくらいです。
でも、完全母乳の危険性も指摘されていますし、実は母乳が危険なこともあるのです。
母乳育児ができないと悩む必要ありません。
今回は、母乳育児のデメリットについてです。

母乳で白血病になる

血液のがんの一つに成人T細胞白血病というのがあります。5年生存率が約20%と多くの患者が亡くなってしまう病の一つです。2012年に、協和発酵キリンから治療薬もでていますが、今でも、骨髄移植が治療の柱になっているようです。
この成人T細胞白血病の原因は、HTLV-1というウイルスであることがわかってきました。

最も多い感染経路が、母乳による母子感染だと言われています。感染を防ぐには、感染者が粉ミルクに切り替えると感染を大幅に減らせます。ただ、完全に母乳を与えず、粉ミルクで育てても2.4%の感染率があるそうです。
HTLV-1に感染しても、白血病を発症しない人の方が圧倒的に多く、キャリアのうち、T細胞白血病を発症するのは2.5~5%と言われています。昔は、九州南部の風土病とも言われていたことがありますが、現在では、都市部でも見られるようです。

その他の感染経路として、輸血や注射針の使い回しなどで感染する血液感染、性交感染が知られています。ですので、発症していなくても、キャリアとなっている場合がないとは言えません。

すごい心配ですよね。でも、心配いりません。厚生労働省は、平成23年度からHTLV-1抗体検査を妊婦健康診査の標準的検査項目に追加しています。それ以前でも、おそらくオプションで検査していた病院も多いはずです。妊娠30週ごろまでに行います。

どうしても、母乳を使いたい場合は、短期間のみ母乳を与え、その後は人工栄養に切り替える方法があります。生後3カ月までの母乳での哺育では、感染率を3%以下に抑えられることが知られています。
もう一つは、母乳を24時間以上冷凍し、解凍後37度程度に温めて与える方法です。ウイルスに感染した細胞が壊れるので、感染力をなくすことができ、感染率を3%以下に抑えられることが知られています。
3%というのは、完全に母乳を与えず、粉ミルクで育てても2.4%の感染率があるそうなので、心配しなくて良いと考えるのでしょう。

完全に粉ミルクでも感染するのは、分娩時の産道などでの感染が原因と考えられています。
その他の感染経路として、輸血や注射針の使い回しなどで感染する血液感染、性交感染が知られています。ですので、発症していなくても、キャリアとなっている場合がないとは言えません。

完全母乳で脳障害

人間も動物なんだから、母乳だけで育てられるだろうというのは、乱暴な意見です。そりゃ、母乳で生きられる子供もいるかもしれませんが、生きられない子供もいるのです。野生動物のように、自然淘汰されたで終わるわけにいかないですよね。

実は、完全に母乳で育てるのには危険性があります。
母乳の分泌不足で、赤ちゃんの栄養不足がおこる可能性があります。
赤ちゃんに、著しい体重減少、低血糖や高ビリルビン血症による重症黄疸、そして、ビタミンK欠乏症による頭蓋内出血などが起こることがあります。

特に、母乳にはビタミンKが少ないと言われています。親が十分な栄養を取っていても、個体差があり、母乳分泌量も少ないこともありますので、十分足りるとは限りません。赤ちゃん側の原因もあり、哺乳不足、吸収が悪い赤ちゃん、胆道などの病気などがあげられます。

ビタミンKは、出血を止める働きに関与しているビタミンで、摂取が十分でないと、出血が起こる可能性があります。
新生児ビタミンK欠乏性出血症は、生後2日から4日に起こることが多くなっています。場合によっては、出生後 24時間以内に発症することもあるそうです。出血部位は皮膚と消化管が多く、出血斑、注射・採血など皮膚穿刺部位の止血困難、吐血、下血が高頻度にみられます。
また、乳児ビタミンK欠乏性出血は、生後3週間から2ヶ月頃の母乳栄養児に発症します。出血の8割は頭蓋内出血となりますので、予防が重要です。

でも、ご心配なく。
大抵の病院では、ビタミンKの予防投与が標準的方式として定着しています。ビタミンK2シロップを出生時、産科退院時、1か月健診時の合計3回、経口投与されるはずです。
この3回投与だけでは、ビタミンK欠乏性出血の報告もあるので、完全母乳の場合、生後3ヶ月までは、ビタミンK2シロップを週1回投与する方法もあります。逆に、粉ミルクを使っている場合は、1か月以降のビタミンK2シロップは、中止しても良いと言われています。

つまり、完全母乳と言っても、粉ミルクを使わないというだけで、ビタミンK2シロップなどは必要になります。
完全母乳を曲解した助産院でビタミンK2がちゃんと投与されず頭蓋内出血を起こして問題となったことがありました。

ちなみに、ビタミンKは、低出生児などでは、静注されている場合もあります。
アメリカなどでは、筋注したりもするようですが、筋注は小児白血病のリスクファクターになる可能性がないとは言い切れないようです。

完全母乳で低栄養

出産直後は、母乳はほとんど出ません。赤ちゃんに必要な量が出るのは、3~5日後からと言われています。しかし、赤ちゃんは3日間分の栄養を体の中に持っているので大丈夫と完全母乳を推奨する人たちは信じています。
ただ、母乳の摂取不足により、深刻な栄養不足に陥るケースがあるのです。実際に、低血糖による呼吸停止や心停止などが起こって、後遺症が残った例が最近でもあるようです。
厚労省は、カンガルーケアと完全母乳を推奨していますが、栄養不足があるのに母乳以外を一切与えないなど行き過ぎた完全母乳は、危険性があることを認識するべきです。

母乳で新生児黄疸が長引く

新生児黄疸は、生理的な現象です。
胎児期の赤血球が壊れることで、生後にビリルビンの値が高くなります。血中ビリルビン濃度が過多となると大脳基底核などに沈着し悪影響を及ぼすことがあるので、光線療法などで治療されることもあります。

さて、今回は、母乳の話でした。
出生から数日後、母乳を飲んでいる乳児の16%程度に生じるのが、母乳哺育黄疸です。十分に母乳を飲めていない新生児に起こり、多くは、母乳の分泌が十分ではないことが原因となっているようです。新生児が母乳を飲み続け、乳の摂取量が増加すると自然に消失しますが、これが起こるようなら、母乳以外の栄養を与えたほうが良いとの議論もあります。
つまり、十分な栄養がとれてないため、低血糖状態になっている可能性の兆候ととらえることができます。

母乳を飲んでいる新生児の1〜2%に母乳性黄疸が生じます。これは、母乳にビリルビンの排泄を遅くする物質が多く含まれているためにビリルビンの血中濃度が上昇することで起こります。5〜7日齢に現れ、約2週で最も強くなり、3〜12週間続くことがあります。程度が軽い場合は、母乳による授乳を1〜2日間中止し、黄疸が強い場合には、光線療法など治療が必要になる場合もあります。
ただ、母乳を完全にやめてしまう必要はありません。

母乳中の化学物質

母乳中の化学物質については、粉ミルクでも問題になっていますので、どちらが良いかどうかわからないです。

ただ、がんや免疫機能不全との関連が指摘されているパーフルオロアルキル化合物(PFAS)は、母乳哺育によって乳児の体内に急激に蓄積していくなどの報告もあります。
ダイオキシンが含まれているという報告もあります。

また、医師が注意しているとは思いますが、母親の内服している薬などが母乳中にでる可能性があります。

ネットでの母乳の購入

粉ミルクが悪いという風に思ってしまっている親は、ネットで母乳を購入してまでも、母乳にこだわるようです。あまりに、危険性が高いので、厚労省では注意喚起の文章を出しています。
実際、ネットで売られている母乳が細菌汚染されていると問題になったことがありました。それに、提供した母親の病気の状況もわかりませんので、先に述べたようなウイルスに汚染されていたり、薬品が含まれている可能性もあります。また、悪意のある場合も考えたほうが良いと思います。

まとめ:
・母乳そのものにも危険性がある

・正しい知識での完全母乳でないと危険性が伴う

・母親以外の母乳のネット購入は、危険性が伴う

-健康&疾患, 感染症

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